高齢者継続雇用の種類(継続か再雇用か)

60歳以上の高齢者をその後も雇用するときのお話ですが、正確に言うと2つの種類があります。

1、再雇用制度・・・定年年齢で一旦退職 → その後新たに雇用契約(60歳前とは違う労働条件)
2、勤務延長制度・・・今までの雇用契約を終了させることなく雇用を継続(60歳前とは違う労働条件でも問題なし)

の2つになります。

但し、退職金について会社との雇用関係が続いている状態で支払われる退職金は、税制上恩恵が大きい「退職所得」ではなく「一時所得」となる可能性が高いので(※退職金規定の内容等により見解もわかれるようですが)、通常1番の再雇用制度にした方が無難です。

逆にいうと、この場合、中退共などの退職金積み立ては60歳までとなります。

 

通常、世の中で60歳以上の雇用の場合、1番を指します。60歳で定年して、違う条件で翌日以降に再雇用をするという形ですね。

 

2番に関しては、昔定年が55歳とか60歳だったので、そのまま勤務を延長するという意味で作られた規定で、現在定年年齢にしても継続雇用にしても、64歳まで雇うようにしてくれという規定になっていますので、2番を選択する意味はあまりないかと思います。

 

 

高齢者の雇用~定年の引上げと継続雇用制度の違い

  • 定年の引上げと継続雇用制度の違いはご存知ですか?
  • 定年後は「継続雇用制度」で削減!! 

【改正された高年齢雇用安定法による高齢者雇用のための義務】

以下の3つの内、どれかの制度を導入する必要があります。

①定年の引上げ
②継続雇用制度の導入(労使協定により基準を定めた場合は、希望者全員を対象としない制度も可)
③定年の定めの廃止

※平成22年現在は「64歳まで」の定年引き上げか継続雇用制度の導入が義務づけられています。
平成25年からは「65歳まで」が義務となります。

①か②を採用されている会社が多いと思いますが、定年の引上げと継続雇用制度では労務コスト面で大きな違いがあります。

①延長雇用で給与がダウンした場合は、社会保険の資格はそのままで、保険料は4か月後から下がります。

②継続雇用制度で給与がダウンした場合は、一旦退職し翌日から再雇用となりますので、給与が下がった月から保険料も下がります。

これは大きな違いですね。

本人の在職老齢年金の停止額にも影響します。

制度の整備をされる際には、ご一考ください。

高齢者の雇用~59歳時の賞与

  • 59歳時の賞与が在職老齢年金に影響することをご存じですか?
  • 賞与のせいで、年金が減額に!!

60歳の定年後再雇用→給与額を下げて「在職老齢年金」を受給できるように調整されると思います。その際の計算に過去1年間の賞与額が大きく関わってくることをご存じですか?

60歳代前半の在職老齢年金は総報酬月額相当額基本月額との合計額が支給停止調整開始額(28万円)を超えるときにその月の老齢厚生年金について、調整が開始されるとあります。

要は、年金と給与を足して28万円を超えると調整がかかるということですが、総報酬月額相当額が曲者です。ここに賞与の額が大きく関係してきます。

【例】
老齢厚生年金額:1,200,000円(1月あたり 100,000円)
現在の給与(交通費含む):200,000円(標準報酬月額200,000円)
59歳時の賞与(春夏2回分):900,000円

この例の場合、総報酬月額は20万円+7万5千円(90万円÷12)=27万5千円となります。

せっかく年金を受給できるように給与を下げたとしても、賞与の額が多すぎて思ったよりも貰えない!!ということになってしまいます。

60歳以上の従業員雇用の3つの方法

会社の就業規則を見ると、よく定年年齢が55歳とか書いてあります。

 

正しくは、現在65歳です(ただし、暫定的に平成25年3月31日まで64歳)。

又は、定年は60歳にして、その後いわゆる嘱託などの形で、雇用を伸ばすかになります。

 

よく年をとって給料が下がったといいますが、これは上記嘱託などの扱いの場合ですね。

定年を定めている場合、基本的にそれまでは給与等は落とせません。

 

まとめます。

高年齢者の安定した雇用の確保等を図るため、事業主は、以下の3つの措置のどれかを講じる必要があります。

(1) 定年の引上げ

平成22年4月1日から平成25年3月31日 64歳

平成25年4月1日~              65歳

(2) 継続雇用制度の導入 

(3) 定年の定めの廃止

 

その他、高年齢者等の再就職の促進に関する措置を充実するほか、定年退職者等に対する臨時的かつ短期的な就業等の機会の確保に関 する措置の充実を図る形です(改正高年齢者雇用安定法

60歳以降の継続雇用の課題(モチベーション等)

1、60歳以上の方の継続雇用を行う場合、どうしても会社全体の人件費向上の問題があります。

かといって、あまり低賃金にする場合、会社イメージの低下や従業員のモチベーション低下になります。

2、60歳以上の従業員の貢献度&モチベーションの継続

3、若い世代が上の世代に関して閉塞感等を感じる→モチベーションの低下

 

結局、60歳以上の従業員に対して、今までの貢献度を考慮し年金等(給与が高いと年金が減らされるため)を考えて最適な給与設計をしていく必要があります。

在職老齢年金と厚生年金基金

在職老齢年金という制度があります。

 

60歳以降は働きながら年金をもらうわけですが、給与が高いと年金がストップしてくる形です。

 

すごく簡単にお話すると、

60歳から65歳未満は年金と給与の合計額が 28万円

65歳以上からは47万円を超えると、超えた分の半分の年金がストップします。

 

つまり、給与と年金で34万円であれば、年金が3万円ストップするわけですね。

 

ただ、厚生年金基金というものもあります。

これは、国の厚生年金のうち、一部を基金という団体で運用して年金額を増やすようなものです。

 

この場合、在職老齢年金のストップする額はいろいろです(正確に言うと、基金独自の給付の部分についてですが)。

 

在職老齢年金がかからない基金もあります。

基金は業界別にいっぱいあるので、基準が違うのですね。

 

だから、特に働いている場合、年金額は、1で調べて、2で確認、3、4がなくて5で再確認という形になります。

複雑ですなね・・。

給与と年金~60歳以降の働き方

貰える年金が在職老齢年金で調整されるのは、あくまでも60歳以降も厚生年金に加入して働く場合です。

 

例えば、週の所定労働時間が40時間の会社であれば、働く所定労働時間を30時間未満にすれば、厚生年金に加入する必要はありません。

 

また、自営業やフリーで働く場合、他の共済年金適用事業で働く場合も年金額に影響はありません。

 

ただし、厚生年金保険の適用を受けて働いた場合、退職後に60歳以降に働いた年金分が、今の年金にプラスされますので、ライフワークにより選択する形になります。

在職老齢年金~年金と給与の調整

年金が調整される金額の計算は、複雑な式になりますが、大雑把に言うと、60歳~64歳の間は毎月の年金額と給料+ボーナスを足した1/12の金額が毎月28万円までであれば、年金は全額支給されます。

 

28万円を超える場合は、その超えた分の半分が毎月の年金額からカットされると考えて下さい。

 

例えば、年金と給与との合計額が30万円であれば、毎月年金額が1.0万円カットされます。

 

また、65歳以上の場合、合計額が47.0万円以上になります。

在職老齢年金~60歳以降の給与と年金

「60歳から働くと年金額はどうなるのか?」

 

今から年金を受け取る方全員の大きな関心ごとだと思います。

 

定年後も仕事を続ける場合、厚生年金の被保険者として、保険料の支払いは続きます。一方60歳を過ぎると、生年月日によって報酬比例部分の年金支給がスタートします。

 

つまり、厚生年金に加入しながら、老齢厚生年金を受け取るという状況になるのです。

 

その場合、その年金は在職老齢年金となり、給与と年金月額の合計額によって、年金が「一部支給停止」になります。

報酬と年金の両方では、手厚すぎるということで一定の調整を行うのです。

 

計算の元となる年金の基本月額は、本来もらえる老齢厚生年金から加給年金を除いた金額を「12分の1」にした金額です。つまり、年金の月額です。

 

給与については、毎月の標準報酬月額に、過去1年間の賞与の12分の1を加えた金額です。過去1年内のボーナスも入るところが注意点です。