平成20年 宅建試験過去問 問40 宅地建物取引業法~ 8種規制

【問40】 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBと建物の売買契約を締結する場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法 (以下この問において 「法」 という。) 及び民法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 手付金を受領できる額の制限等
Bが契約の履行に着手するまでにAが売買契約の解除をするには、手付の3倍に当たる額をBに償還しなければならないとの特約を定めることができる。
宅建業者が自ら売主となり、かつ買主が宅建業者でない場合、宅建業者は代金額の20%を超える手付を受領してはなりません。
また、受領した手付は、常に解約手付としての性質を有し、この解約手付の性質に反する特約で、買主に不利なものは無効です。
問題の肢は、買主ではなく売主の業者が不利になる特約のため有効です。○
(参考過去問)
宅地建物取引業者Aが、自ら売主となり、宅地建物取引業者でない買主Bとの間で、中古住宅及びその敷地である土地を、代金3,500万円、うち手付金500万円で売買契約を締結しようとする場合に関して、相手方が契約の履行に着手するまでは、Bは手付金のうち250万円を放棄して、またAは1,000万円を償還して、契約を解除することができる旨の定めをすることができる。
(15-41-1) ○
2 損害賠償の予定額等の制限
Aの違約によりBが受け取る違約金を売買代金の額の10分の3とするとの特約を定めることができる。
宅建業者が自ら売主となり、かつ買主が宅建業者でない場合に、宅建業者は、債務不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償額を予定し、又は違約金を定めるときは、これらを合算した額が代金額の20%を超えることとなる定めをしてはならず、これに反する特約は代金額の20%を超える部分について無効になります。よって ×
(参考過去問)
宅地建物取引業者Aが自ら売主として、宅地建物取引業者でないBとの間で土地付建物の売買契約を締結した場合、当該契約において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、文は違約金を定めるときは、これらを合算した額が代金の額の10分の2を超える定めをしてはならない。(18-39-2) ○
3 事務所等以外の場所で行った、買受の申込みの撤回等(クーリングオフ)
Bから法第37条の2の規定に基づくいわゆるクーリング・オフによる売買契約の解除があった場合でも、Aが契約の履行に着手していれば、AはBに対して、それに伴う損害賠償を請求することができる。
クーリングオフは、衝動買いをした買主でも「無条件」にキャンセルを認める制度なので、お客さんがクーリングオフをしても、宅建業者は次のようなことはできません。
ア.買主に、損害賠償や違約金を請求すること。
イ.すでに受領した手付金などの、全部または一部を返還しないこと。
また、買主に不利な特約は無効です。
例えば、買主がクーリングオフしたとき、宅建業者がすでに受領した物やお金を返さないというような特約は無効になります。
(参考過去問)
宅地建物取引業者Aが、自ら売主となり、宅地建物取引業者でない買主との間で締結した宅地の売買契約について、買主が宅地建物取引業法第37条の2の規定に基づき売買契約の解除をする場合に関して、買主Dは、ホテルのロビーで買受けの申込みをし、翌日、Aの事務所で契約を締結した際に手付金を支払った。その3日後、Dから、クーリング・オフの書面が送付されてきた場合、Aは、契約の解除に伴う損害額と手付金を相殺することができる。(15-39-3) ×
4 瑕疵担保責任の特約の制限
Aは、瑕疵(かし)担保責任を負うべき期間として、引渡しの日から2年で、かつ、Bが瑕疵(かし)を発見した時から30日以内とする特約を定めることができる。
宅建業者が自ら売主となり、かつ買主が宅建業者でない場合には、宅建業者は、その目的物の瑕疵担保責任に関して、民法の規定よりも買主に不利となる特約をしてはなりません。
これに反する特約は無効です。
民法の規定
売買の目的物に隠れた瑕疵がある場合、善意の買主は契約の解除と損害賠償を請求できます(ただし、新築のみは住宅品確法により修補も請求できます)。
悪意の買主は何も請求できません。
善意の買主が、契約の解除と損害賠償を請求できるのは、その買主が「瑕疵を知った時(発見した時)から1年以内」です。ただし、新築住宅の主要部分の隠れた瑕疵においては買主に引渡されてから10年になります。
引渡しの日から2年で、かつ買主のBが瑕疵を発見した時から30日以内とする特約」は、民法の規定よりも不利な特約ですから無効になります。
ただし、民法の定めより、買主に不利な特約をしても、その特約が有効になる例外が、1つだけありますので覚えておいて下さい。
それは、売主は目的物を引渡した時から2年以上、瑕疵担保責任を負うという特約です。
引き渡し時から2年以上責任を負えば、季節も2度めぐってくるので、最低限瑕疵があれば、発見できると予想したわけです。
要するに、買主のBが瑕疵を発見した時から30日以内」という部分が民法の規定よりも不利な特約です。よって ×
(参考過去問)
宅地建物取引業者Aが自ら売主として、宅地建物取引業者ではないBに宅地(造成工事完了済み)を分譲する場合に関して、AとBは、「瑕疵(かし)担保責任を負うべき期間は、当該物件の売買契約を締結してから2年間とする」旨の特約を定めた。宅地建物取引業法の規定に違反しない。(17-42-3) ×

平成20年 宅建試験過去問 問39 宅地建物取引業法~ クーリング・オフ

【問39】 宅地建物取引業者Aが、自ら売主となり、宅地建物取引業者でない買主との間で締結した宅地の売買契約について、買主が宅地建物取引業法第37条の2の規定に基づき、いわゆるクーリング・オフによる契約の解除をする場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 買主Bは自らの希望により勤務先で売買契約に関する説明を受けて買受けの申込みをし、その際にAからクーリング・オフについて何も告げられずに契約を締結した。この場合、Bは、当該契約の締結の日から8日を経過するまでは、契約の解除をすることができる。
事務所等以外の場所で買った際に、その場所が買主から申し出た場所であっても、買主はクーリングオフをすることができます。
ただし、買主が申し出た場合の、買主の自宅または勤務先が事務所等に含まれます。この場合にクーリングオフできないのは、宅建業者を、買主が自ら自宅や勤務先に呼びつけたときは、申込みをしたいので、説明をして欲しいと心の準備をした上での行動であり、衝動買いとは言えないからです。
買主が申し出た喫茶店=クーリングオフ可
買主が申し出た買主の自宅や勤務先=クーリングオフ不可
よって ×
(参考過去問)
宅地建物取引業者Aは、自ら売主となって宅地建物取引業者でないBに土地付き建物を売却した。この場合、AB間の売買契約が、Aの申出により、A主催の旅行先の温泉旅館の一室で締結されたものである場合は、Bは宅地建物取引業法第37条の2の規定に基づいてAB間の売買契約を解除することができない。(59-42-2) ×
2 買主Cは喫茶店において買受けの申込みをし、その際にAからクーリング・オフについて何も告げられずに契約を締結した。この場合、Cは、当該契約の締結をした日の10日後においては、契約の解除をすることができない。
宅建業者は、クーリングオフができること、及びクーリングオフの方法について、書面を交付して買主に告げなければいけない法的義務はありません。
ただ、クーリングオフができることを、書面で買主に告げなかったときは、いつまでたっても、8日間が起算されませんので、買主は、いつまでも(買ってきてから8日間を過ぎても)クーリングオフができるということです。よって ×
(参考過去問)
宅地建物取引業者Aが自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bと土地付建物の売買契約を締結した場合における、宅地建物取引業法第37条の2の規定による売買契約の解除に関して、Bがレストランにおいて買受けの申込みをし、当該場所において売買契約を締結した場合、Aが法第37条の2に規定する内容について書面で説明し、その説明の日から起算して8日を経過した場合は、Bは当該契約を解除することができない。(17-41-4) ○
3 買主Dはレストランにおいて買受けの申込みをし、その際にAからクーリング・オフについて書面で告げられ、契約を締結した。この場合、Dは、当該契約の締結をした日の5日後においては、書面を発しなくても契約の解除をすることができる。
クーリングオフできる場合、買主は書面でクーリングオフをする必要があります。
電話など口頭でクーリングオフの意思を伝えても、クーリングオフしたことにはなりません。言った言わないのトラブルになるからです。
書面でクーリングオフした場合、クーリングオフの効力が生じる時期は、書面を発信した時です。書面が宅建業者に到達(とうたつ)した時ではありません。少しでも、クーリングオフの時期を早めた方が買主の保護になるからです。
よって ×
(参考過去問)
宅地建物取引業者でないAは、宅地建物取引業者Bに対し、Bが売主である宅地建物について、Aの自宅付近の喫茶店で、その買受けの申込みをした。この場合、Aは、申込みの撤回を書面により行う必要があり、その効力は、Aが申込みの撤回を行う旨の書面を発した時に生ずる。(13-44-2) ○
4 買主Eはホテルのロビーにおいて買受けの申込みをし、その際にAからクーリング・オフについて書面で告げられ、契約を締結した。この場合、Eは、当該宅地の代金の80%を支払っていたが、当該契約の締結の日から8日を経過するまでは、契約の解除をすることができる。
買主が物件の引渡しを受け、かつ代金全額を支払った場合クーリングオフできません。
物件の引渡しを受け、しかも代金まで全額払ったのは、よくよく考えた上での行動です。この場合は、例え事務所等以外の場所で買っていたとしても、もはや衝動買いとは言えないからです。
問題肢は、ホテルで申込し、代金80%の支払いです。よって解除できます。 ○
(参考過去問)
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBと建物の売買契約を締結しようとし、又は締結した場合に関して、Bがホテルのロビーで買受けの申込みをし、3日後にBの自宅で売買契約を締結した場合、Bは、当該建物の引渡しを受け、かつ、その代金の全部を支払っているときでも、当該売買契約の解除をすることができる。(19-41-4) ×

平成20年 宅建試験過去問 問38 宅地建物取引業法~ 宅建業法の違反行為

【問38】 次に記述する宅地建物取引業者Aが行う業務に関する行為のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものはどれか。
1 重要な事項を告げない行為の禁止
(事実の不告知、虚偽の告知の禁止)宅地の売買の媒介において、当該宅地の周辺環境について買主の判断に重要な影響を及ぼす事実があったため、買主を現地に案内した際に、取引主任者でないAの従業者が当該事実について説明した。
宅建業者は、宅地若しくは建物の売買・交換若しくは貸借の契約の締結について勧誘をするに際し、又はその契約の申込みの撤回若しくは解除若しくは宅地建物取引業に関する取引により生じた債権の行使を妨げるため、その業務に関して、相手方等に対して重要な事項について故意に事実を告げず、または不実のことを告げる行為をしてはなりません。
ただし、取引主任者に説明させる必要はありません。
相手が理解できれば問題ないからです。よって違反しない。○
2 不当な勧誘行為等の禁止
建物の貸借の媒介において、申込者が自己都合で申込みを撤回し賃貸借契約が成立しなかったため、Aは、既に受領していた預り金から媒介報酬に相当する金額を差し引いて、申込者に返還した。
宅建業に係る契約の締結に関する行為、または申込みの撤回もしくは解除の妨げに関する行為であって、相手方等の保護に欠けるものとして国土交通省令で定めるものは禁止です。
この国土交通省令の中で、宅建業者やその従業員等が、宅建業者の相手方等が契約の申込みの撤回を行うに際し、既に受領した預り金を返還することを拒むことも申込みの撤回または解除の妨げに関する行為で、宅建業者の相手方等の保護に欠けるものとして禁止されています。
よって違反です。 ×
(参考過去問)
宅地建物取引業者Aが行う業務に関して、Aは、建物の貸借の媒介において、契約の申込時に預り金を受領していたが、契約の成立前に中込みの撤回がなされたときに、既に貸主に預り金を手渡していることから、返金を断った。宅地建物取引業法の規定に違反しない。(18-41-2)×
3 不当な勧誘行為等の禁止
Aの従業者は、宅地の販売の勧誘に際し、買主に対して 「この付近に鉄道の新駅ができる」 と説明したが、実際には新駅設置計画は存在せず、当該従業者の思い込みであったことが判明し、契約の締結には至らなかった。
2と同じ趣旨で宅建業に係る契約の締結を勧誘するに際し、相手方等に対し、利益を生ずることが確実であると誤解させるべき、断定的判断を提供することは違反です。よって ×
(参考過去問)
建物の販売に際して、利益を生ずることが確実であると誤解させる断定的判断を提供する行為をしたが、実際に売買契約の成立には至らなかった。宅地建物取引業法の規定に違反しない。(18-40-1) ×
4 手付を貸すことによる、契約の誘い込みの禁止
Aは、自ら売主として、宅地の売却を行うに際し、買主が手付金100万円を用意していなかったため、後日支払うことを約して、手付金を100万円とする売買契約を締結した。
宅建業者は、その業務に関して相手方等に対して、手付けについて貸付その他信用を供与することにより、契約の締結を誘引(ゆういん)する行為をしてはなりません。
よって ×
(参考過去問)
建物の販売に際して、手付について貸付けをすることにより売買契約の締結誘引を行ったが、契約の成立には至らなかった。宅地建物取引業法の規定に違反しない。(18-40-3) ×

平成20年 宅建試験過去問 問36 宅地建物取引業法~ 信託受益権販売の重要事項説明

【問 36】 宅地建物取引業者Aが建物に係る信託(Aが委託者となるものとする。)の受益権を販売する場合において、宅地建物取引業法第35条の規定に基づいてAが行う重要事項の説明に関する次の行為のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものの組合せはどれか。
ア Aは、販売の対象が信託の受益権であったので、買主Bに対し、取引主任者でない従業員に説明をさせた。
重要事項説明は、取引主任者にさせなければならない。
原則通りなので ×
イ Aは、当該信託の受益権の売買契約を締結する半年前に、買主Cに対して当該契約と同一の内容の契約について書面を交付して説明していたので、今回は説明を省略した。
ウ Aは、買主Dが金融商品取引法第2条第31項に規定する特定投資家であったので、説明を省略した。
宅建業者が、宅地又は建物に係る信託受益権の売主となる場合、重要事項説明を要しない場合が以下3つあります。
1、金融商品取引法に規定する特定投資家または特定投資家とみなされる者を信託の受益権の売買の相手方とする場合~専門家には説明不要。
2、信託の受益権の売買契約の締結前一年以内に売買の相手方に対し当該契約と同一の内容の契約について書面を交付して説明をしている場合 ~同一の契約について1年以内に説明しているから。
3、売買の相手方に対し金融商品取引法に規定する目論見書(書面を交付して説明すべき事項のすべてが記載されているものに限る。)を交付している場合 ~同一の内容を説明しているかた。
イは2、ウは1に該当するので、重要事項説明をしなくても大丈夫です。
工 Aは、当該信託財産である建物の瑕疵を担保すべき責任の履行に関して保証保険契約を締結していたが、買主Eに対しその説明を省略した。
信託財産である宅地又は建物の瑕疵を担保すべき責任の履行に関し、保証保険契約の締結その他の措置で次に掲げるものを講じているときは、その概要は、重要事項説明をしなければならない事項です。よって業法違反です。
1 ア、イ
2 イ、ウ
3 イ、エ
4 ウ、エ
信託受益権販売というと、それだけで敬遠しそうですが、アが明確に間違いです。
又、瑕疵担保責任またはその責任の履行に関して、講ずべき保証保険契約の締結その他の措置の定めがあるときは、その内容。は重要事項説明項目のため、エも間違いと判断できます。
そうすると消去法で、2番が残ります。
問題について、くらいついて考えてほしいという出題者の意図が感じられる問題ですね。
【正解】2(違反しないのは、イとウ)

平成20年 宅建試験過去問 問37 宅地建物取引業法~ 重要事項説明書

【問 37】 宅地建物取引業者Aが、マンションの分譲に際して行う宅地建物取引業法第35条の規定に基づく重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 当該マンションの建物又はその敷地の一部を特定の者にのみ使用を許す旨の規約の定めがある場合、Aは、その内容だけでなく、その使用者の氏名及び住所について説明しなければならない。
専用使用権
宅建業者は、マンションの専有部分の貸借の媒介・代理の場合を除いて、当該一棟の建物又はその敷地の一部を特定の者にのみ使用を許す旨の規約の定めがあるときは(駐車場・自転車置場など)、その内容を重要事項として説明しなければなりません
しかし、使用している者の氏名・住所は、説明すべき重要事項ではありません。
2 建物の区分所有等に関する法律第2条第4項に規定する共用部分に関する規約がまだ案の段階である場合、Aは、規約の設定を待ってから、その内容を説明しなければならない。
共用部分に関する規約の定め(その案を含む)があるときは、その内容は説明事項です。
集会室など共有部分の定めや案があった場合は、こういった案がありますという説明が必要です。
案も含むので ×
(類似過去問)
宅地建物取引業者Aは、対象物件が、建物の区分所有等に関する法律第2条第1項に規定する区分所有権の目的である場合、Aは、同条第4項に規定する共用部分に関する規約の定めがあるときはその内容を説明する必要があるが、当該規約が未だ案であるときはその内容を説明する必要はない。(15-36-1) ×
3 当該マンションの建物の計画的な維持修繕のための費用の積立を行う旨の規約の定めがある場合、Aは、その内容を説明すれば足り、既に積み立てられている額については説明する必要はない。
計画的な維持修繕のための、費用の積み立てを行う旨の規約の定め(その案を含む)があるときは、その内容及び既に積み立てられている金額を説明しなければなりません。
滞納がある場合も、その滞納額を伝える必要があります。マンションの住民にとっては、大きい問題だからです。
積み立てられている金額や、滞納額などの状況を説明します。よって ×
(類似過去問)
売買契約の対象となる区分所有建物に、計画的な維持修繕費用の積立てを行う旨の規約の定めがある場合は、その旨を説明すれば足り、既に積み立てられている額を説明する必要はない。(16-37-1)×
4 当該マンションの建物の計画的な維持修繕のための費用を特定の者にのみ減免する旨の規約の定めがある場合、Aは、買主が当該減免対象者であるか否かにかかわらず、その内容を説明しなければならない。
建物の計画的な維持修繕のための費用、そのマンションの所有者が負担しなければならない通常の管理費用の額、その他その建物の所有者が負担しなければならない費用を、特定の者のみ減免する旨の規約の定めがある時は、その内容は説明事項です。
売れ残りの空室部分の管理費を分譲業者は負担しなくてよいなどの定めです。売れ残りの多いマンションは、業者の負担もかなりのものです。宅建試験を、世の中の実情に合わそうとしている、現れです。
よって ○
宅地建物取引業者Aは、マンションの分譲を行うに際し、当該マンションの管理規約案に「分譲業者であるAは当該マンションの未販売住戸の修繕積立金を負担しなくてもよい」とする規定があったが、これについては説明しなかった。(14-37-2)×

平成20年 宅建試験過去問 問35 宅地建物取引業法~指定流通機構

【問 35】 宅地建物取引業者Aが、Bから自己所有の宅地の売却の媒介を依頼された場合における当該媒介に係る契約に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア Aが、Bとの間に一般媒介契約 (専任媒介契約でない媒介約)を締結したときは、当該宅地に関する所定の事項を必ずしも指定流通機構へ登録しなくてもよいため、当該媒介契約の内容を記載した書面に、指定流通機構への登録に関する事項を記載する必要はない。
ア、一般媒介契約の場合、指定流通機構へ登録しなければいけない義務はありません。
イ、専任媒介契約の場合、必ず指定流通機構へ登録しなければいけない義務があります。
しかし、本肢のように、一般媒介契約で登録をしない場合(アの場合)でも、登録しないと記載する必要があります。よって ×
(参考過去問)
宅地建物取引業者Aが、Bの所有する宅地の売却の依頼を受け、Bと媒介契約を締結した場合に関して、媒介契約が専任媒介契約以外の一般媒介契約である場合、Aは、媒介契約を締結したときにBに対し交付すべき書面に、当該宅地の指定流通機構への登録に関する事項を記載する必要はない。(10-45-1) ×
イ Aが、Bとの間に専任媒介契約を締結し、当該宅地に関する所定の事項を指定流通機構に登録したときは、Aは、遅滞なく、その旨を記載した書面を作成してBに交付しなければならない。
指定流通機構に登録をした宅建業者は、指定流通機構が作成した、登録を証する書面を遅滞なく依頼者に交付する必要があります。
作成は、指定流通機構が行いますので、誤りです。 ×
(参考過去問)
宅地建物取引業者Aが、宅地の所有者Bからその宅地の売買の媒介を依頼され、媒介契約を締結した場合の指定流通機構への登録に関して、AB間の媒介契約が専任媒介契約である場合で、Aが、当該宅地について指定流通機構に登録をし、当該登録を証する書面の発行を受けたとき、Aは、その書面を遅滞なくBに引き渡さなければならない。(11-39-3) ○
ウ Aが、Bとの間に専任媒介契約を締結し、売買契約を成立させたときは、Aは、遅滞なく、当該宅地の所在、取引価格、売買契約の成立した年月日を指定流通機構に通知しなければならない。
宅建業者は、登録した宅地建物の売買・交換契約が成立したときは、遅滞なく、登録番号、宅地の取引価格及び、契約の成立した年月日を当該指定流通機構に通知しなければなりません。
情報を削除する必要があるからです。
しかし、本肢では当該宅地の所在を通知事項としているので,誤りです。
(参考過去問)
宅地建物取引業者Aが、Bの所有する宅地の売却の依頼を受け、Bと媒介契約を締結した場合に関して、媒介契約が専任媒介契約である場合で、指定流通機構への登録後当該宅地の売買の契約が成立したとき、Aは、遅滞なく、登録番号、宅地の取引価格及び売買の契約の成立した年月日を当該指定流通機構に通知しなければならない。(10-45-3) ○
問題としては、以下のように個数問題でした。よって答えは4番になります。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 なし
個数問題では、○ や × の選択肢が一つもないことがあります。
この場合、いわゆる消去法がつかえないので、問題を解くのに時間がかかります。
そのため、一度問題を飛ばして最後に戻ってくるという解き方も有効です。

平成20年 宅建試験過去問 問34 宅地建物取引業法~営業保証金

【問34】 宅地建物取引業者A (甲県知事免許) は、甲県内に本店Xと支店Yを設置して、額面金額1,000万円の国債証券と500万円の金銭を営業保証金として供託して営業している。この場合の営業保証金に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、本店Xと支店Yとでは、最寄りの供託所を異にする。
1 営業の開始時期
Aが新たに支店Zを甲県内に設置したときは、本店Xの最寄りの供託所に政令で定める額の営業保証金を供託すれば、支店Zでの事業を開始することができる。
新設事務所を設置した場合、その新たな事務所分500万円の供託物受入れの記載のある供託書の写しを添付して、供託した旨を免許権者に届出た後でなければ、新設事務所での事業は開始できません。
届出をした後でないと事業開始できないので ×
(参考過去問)
宅地建物取引業者A(甲県知事免許)が本店と2つの支店を有する場合、Aは新たに2つの支店を設置し、同時に1つの支店を廃止したときは、500万円の営業保証金を本店のもよりの供託所に供託し、業務を開始した後、遅滞なくその旨を甲県知事に届け出なければならない。(16-35-1) ×
2 保管替え
Aが、Yを本店とし、Xを支店としたときは、Aは、金銭の部分に限り、Yの最寄りの供託所への営業保証金の保管替えを請求することができる。
営業保証金の供託先は主たる事務所のもよりの供託所ですから、主たる事務所が移転して、最寄りの供託所が変われば、営業保証金を預ける供託所も変わります。
有価証券+金銭で供託していた場合→変換
この場合は、遅滞なく、移転後の主たる事務所のもよりの供託所に、営業保証金を新たに供託する必要があります。
もう一度供託する必要があるということです。これを変換と言います。
有価証券は、証券という紙切れが無いと意味がありませんので、帳簿操作をするわけにはいかないのです。
一旦新しい供託所に供託をして、二重供託状態にしてから、古い供託所から、営業保証金を取り戻す形になります。
業者→供託→新供託所→取り戻し→旧供託所 よって ×
(参考過去問)
金銭以外のもので営業保証金を供託している宅地建物取引業者は、その主たる事務所を移転したためそのもよりの供託所が変更したときは、遅滞なく、営業保証金を移転後の主たる事務所のもよりの供託所に新たに供託しなければならない。(60-40-4) ○
3 有価証券の価値
Aは、額面金額1,000万円の地方債証券を新たに供託すれば、既に供託している同額の国債証券と変換することができる。その場合、遅滞なく、甲県知事に営業保証金の変換の届出をしなければならない。
金銭以外で供託をする場合
営業保証金の供託は金銭に限られません。
国土交通省令で定める有価証券で供託することもできます。
国債証券、地方債証券、その他の有価証券が国土交通省令で定められています。
有価証券と金銭を併用するか、若しくは100%全てを有価証券で、営業保証金として供託することもできます。
ただし、国債証券などであっても、割引国債のように割引の方法により発行されたものは営業保証金に使えません。
有価証券は証券の額面と実際に金額が違うからです。
そのため、有価証券で供託する場合は、額面金額通り評価はされません。ちなみに、株券は金額の上下が大きすぎるため駄目です。
具体的な評価額は次の形になります。
ア.国債証券は、額面金額通り(100%)
イ.地方債証券又は政府がその債務について保証契約をした債券は、額面金額の90%
ウ.それ以外の債券(例:電信電話債券)は、額面金額の80%
有価証券の価値が違うため ×
(参考過去問)
宅地建物取引業者A(甲県知事免許)の営業保証金に関して、Aは、甲県の区域内に新たに二つの支店を設け宅地建物取引業を営もうとする場合、額面金額1,000万円の地方債証券を供託して営業保証金に充てれば足りる(17-33-1)×
4 営業保証金の不足→営業ができなくなるんだよ
Aは、営業保証金の還付が行われ、営業保証金が政令で定める額に不足することになったときは、その旨の通知書の送付を受けた日から2週間以内にその不足額を供託しなければ、免許取消の処分を受けることがある。
宅建業に関する取引により生じた債権を持っているお客さんが、営業保証金から還付を受けることができる金額の限度額は、宅建業者が供託した営業保証金の金額の範囲内です。
それ以上はさすがに担保できません。
しかし、営業保証金の還付が実際に行われると、営業保証金が政令で定める額より不足します。
また、次の被害者が還付を受けたいと言ってくるかも知れません。
とすると、なるべく早く不足分を充当するべきです。
そこで、実際に還付があると、次の手順で、営業保証金の充当をはかります。
ア.免許権者は、不足が生じた旨の通知書を宅建業者に送付します。
イ.宅建業者は、通知書の送付を受けた日から2週間以内に、不足額を供託する必要があります。
ウ.さらに、供託から2週間以内に、その供託物受入れの記載のある供託書の写しを添付して、不足額を供託した旨を免許権者に届け出る必要があります。
今の不足額の充当を怠ると、業務停止処分を受けることがあります。
また、情状が特に重い(情状酌量の余地がない)と、免許取消処分になる場合もあります。
ようするに、保証金が足りないのだから、免許取り消しになる可能性がありますよね?よって ○
(参考過去問)
宅地建物取引業者は、営業保証金の還付が行われ、営業保証金が政令で定める額に不足することになったときは、通知書の送付を受けた日から2週間以内にその不足額を供託しなければ、業務停止の処分を受けることがあるが、免許取消しの処分を受けることはない。(13-33-3) ×

平成20年 宅建試験過去問 問33 宅地建物取引業法~取引主任者登録

【問33】次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 禁錮以上の刑に処せられた取引主任者は、登録を受けている都道府県知事から登録の消除の処分を受け、その処分の日から5年を経過するまで、取引主任者の登録をすることはできない。
これは、処分の流れ時期の問題
登録を受けている都道府県知事から登録の消除の処分を受け、その処分の日から5年を経過するまで
その刑の執行を終わり、または刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過するまで よって ×
(参考過去問)
宅地建物取引業法に違反して罰金の刑に処せられ、その刑の執行が終わった日から5年を経過しない者は、宅地建物取引主任者資格登録を受けることはできない。(57-39-4) ○
2 宅地建物取引主任者資格試験に合格した者で、宅地建物の取引に関し2年以上の実務経験を有するもの、又は都道府県知事がその実務経験を有するものと同等以上の能力を有すると認めたものは、法第18条第1項の登録を受けることができる。
単純に誰がやるのか?の問題。
都道府県知事が
→国土交通大臣が ×
3 甲県知事から宅地建物取引主任者証の交付を受けている取引主任者は、その住所を変更したときは、遅滞なく、変更の登録の申請をするとともに、主任者証の書換え交付の申請を甲県知事に対してしなければならない。
取引主任者登録の変更が義務付けられているのは、お上においてある「取引主任者資格登録簿」に登録してある、次の4つの事項が変わったときです。
ア.氏名
イ.住所
ウ.本籍(日本国籍を有しない者は、その国籍)
エ.宅建業の業務に従事する者は、その宅建業者の「商号又は名称と免許証の番号」
要は、上の4つは登録を受けた後に変わる可能性がある事項です。
その他に、生年月日や合格日、性別などの項目がありますが、それらは一生変わりません。
でも、性別に関しては、今後は改正されるかも知れませんね。いやん。
とにかく、現在、後で変わる可能性のある上の4つについては、お上が監督できなくなるから、免許権者に届け出ろといっているわけです。
主任者証の書換え交付申請とは、主任者証を受けた後で主任者証の記載事項が変わったとき、その主任者証を添えて、書換え交付の申請をする必要があることです。
主任者証の書換え交付申請が義務付けられているのは、主任者証の記載事項が変わったときですが、具体的には、主任者証の記載事項のうち氏名と住所が変わったときです。運転免許と同じですね。よって ○
(参考過去問)
取引主任者Aが、甲県知事の宅地建物取引主任者資格登録及び宅地建物取引主任者証の交付を受けている場合に関して、Aは、その住所を変更したときは、遅滞なく、変更の登録の申請とあわせて、取引主任者証の書換え交付を甲県知事に申請しなければならない。(12-32-3) ○
4 取引主任者が成年被後見人に該当することになったときは、その日から30日以内にその旨を登録している都道府県知事に本人が届け出なければならない。
本人が届け出なければならない。
→成年後見人が届け出なければならない。
取引主任者が成年被後見人に該当することになったときは、その日から30日以内にその旨を登録している都道府県知事に成年後見人が届け出なければなりません。
だって、成年被後見人なのだから、自分では無理ですよね? ×

平成20年 宅建試験過去問 問32 宅地建物取引業法~広告に関する規制

【問32】 次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 新たに宅地建物取引業の免許を受けようとする者は、当該免許の取得に係る申請をしてから当該免許を受けるまでの間においても、免許申請中である旨を表示すれば、免許取得後の営業に備えて広告をすることができる。
当然のことですが、免許の申請中は、免許申請中である旨を表示しても、宅建業の業務をすることはできませんので、広告もできません。 ×
2 宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、当該工事に必要な都市計画法に基づく開発許可、建築基準法に基づく建築確認その他法令に基づく許可等の申請をした後でなければ、当該工事に係る宅地又は建物の売買その他の業務に関する広告をしてはならない。
宅建業者は、宅地の造成又は、建物の建築に関する工事の完了前は、その工事に関して、必要とされる開発許可、建築確認、その他法令に基づく許可等の処分があった後でなければ、その工事に係る宅地または建物の売買、その他の業務に関する広告をしてはなりません。
許可等の申請→許可等の処分の後という引っかけ問題 よって ×
(参考過去問)
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、建物を販売する場合に関して、Aは、建物を新築するため建築確認の申請中であったので、「建築確認申請済」と表示して、その建物の販売に関する広告を行い、販売の契約は建築確認を受けた後に締結した。宅地建物取引業法の規定に違反しない。(11-40-1) ×
3 宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買、交換又は貸借に関する広告をするときに取引態様の別を明示していれば、注文を受けたときに改めて取引態様の別を明らかにする必要はない。
取引態様の明示義務のタイミング  
取引態様の明示が、義務付けられているのは、広告をする時と注文を受けた時の両方です。どちらか一方を省略することはできません。よって ×
(参考過去問)
宅地建物取引業者Aが、建物の売買に関し広告をし、又は注文を受けた場合の取引態様の明示に関して、Aは、取引態様の別を明示した広告を見た者から建物の売買に関する注文を受けた場合、注文を受けた際に改めて取引態様の別を明示する必要はない。(10-34-2) ×
4 宅地建物取引業者は、販売する宅地又は建物の広告に著しく事実に相違する表示をした場合、監督処分の対象となるほか、6月以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられることがある。
次の場合は、6ヶ月以下の懲役又は100万円以下の罰金になります。
1. 営業保証金の供託届の前に、事業を開始した場合
2. ウソやおおげさな広告の禁止(誇大広告)に違反した場合
その広告により、取引の成立に至らなくても広告をすること自体が禁止です。
3. 手付を貸す(貸与)ことによる契約の誘い込みの禁止に違反した場合
4. 不当な遅延行為の禁止に違反した場合
不当に遅らせた場合は、民事上の債務不履行責任も負います。
よって ○
(参考過去問)
新聞折込広告で、実際に取引する意思のない物件を分譲すると広告した場合、宅地建物取引業法に違反して、6月以下の懲役に処せられることがある。
(5-42-1) ○

平成20年 宅建試験過去問 問31 宅地建物取引業法~免許欠格と取消

【問31】 宅地建物取引業の免許 (以下この問において「免許」という。) に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 宅地建物取引業者A社に、道路交通法違反により懲役1年執行猶予2年の刑に処せられた者が役員として就任する場合、就任時において執行猶予期間中であれば、その就任をもって、A社の免許が取り消されることはない。
役・禁錮・罰金は執行猶予になった場合も含みます。
しかし、執行猶予期間が満了したときは直ちに免許を受けることが出来ます。
執行猶予というのは、その刑の執行を一定期間猶予して、その期間を無事に経過したときは、刑の言渡しの効力が無くなる制度です。よって×
(参考過去問)
公職選挙法違反により禁錮1年、執行猶予1年の刑に処せられ、現在、執行猶予期間中である者は、宅地建物取引業の免許を受けることができない。
(59-37-1) ○
2 宅地建物取引業者B社に、かつて破産宣告を受け、既に復権を得ている者が役員として就任する場合、その就任をもって、B社の免許が取り消されることはない。
破産者の復権というのは、借金で首が回らなくなってしまい、破産手続開始の決定をします。
その決定があった後に、裁判所で財産の整理が終わると、普通の人間に戻ります。
つまり、権利が復活するわけです。復権した場合は、直ちに免許を受けることが出来ます。5年まつ必要などもありません。よって ○
(参考過去問)
破産者で復権を得てから5年を経過しない者は、宅地建物取引業の免許を受け
ることができない。(59-37-4) ×
3 免許を受けようとするC社に、刑法第206条 (現場助勢) の罪により科料に処せられた役員がいる場合、その刑の執行が終わってから5年を経過しなければ、C社は免許を受けることができない。
刑罰を重い順に、並べると、下のようになります。
死刑→懲役→禁錮→罰金→拘留、科料(かりょう)。
他に行政上の行政罰として、過料(かりょう)があります。
懲役は刑事施設に入って労務をする必要があります。禁錮は労務がありません。
罰金は、お金を払えということ、拘留は30日間、刑事施設に入れられる刑です。(刑法上は罰金より軽いとされています)。
科料は罰金よりもっと少額で、過料はもっと軽微な金銭納付のことです。
罰金以上の刑が対象のため、×です。
(参考過去問)
甲県知事の免許を受けているE社の取締役Fが、刑法第208条(暴行)の罪により罰金の刑に処せられた場合、E社の免許は取り消される。(17-31-4) ×
4 免許を受けようとするD社に、刑法第204条 (傷害) の罪により懲役1年執行猶予2年の刑に処せられ、その猶予期間が満了している役員がいる場合、その満了の日から5年を経過しなければ、D社は免許を受けることができない。
1番のとおりです。執行猶予が終われば奇麗な体。
以上、正解しないと話になりません。