共有物の利用・改良

共有物の「利用・改良行為」とは共有物の性質を変えない範囲で、収益を図ったり、価値を増したりする行為のことです。例えば3人で購入した別荘を賃貸にしたり、新たに、きたぞ光だ!の光ファイバーを引いたりして、価値を増したりすることです。
共有物の利用・改良関係は、持分の価格の過半数で決める必要があります。人数の頭割りではありません。
例えば、A・B・Cの3人で別荘を共有して、持分がA30%、B20%、Cが50%という場合は、Cは1人では別荘の利用・改良行為を行えません。過半数ですから、半分を超える必要があります。
また、共有物の管理に要する費用である、管理費は、各共有者が、その持分に応じて負担する必要があります。全て持分です。先ほどの例で光ファイバーを引くのに10.0万円が掛かったとしますと、Aが3.0万円、Bが2.0万円、Cが5.0万円の負担になります。
ちなみに、共有物の利用・改良行為が行われた場合は、その管理行為に反対だった共有者も、管理費を負担する必要があります。
例えば、共有者Aが一人だけ光ファイバーを引くことに反対して、1年以内に管理費を負担する義務を履行しない場合には、他の共有者は、相当の償金を支払ってその持分を取得出来ます。
お金を払わない場合は賠償金を払って共有者から追い出すことが出来ます。だって、自分勝手な人ですから、共有状態にそぐわないので、排除出来るようにしました。
過去問
各共有者は、その持分に応じて共有物の管理の費用を負担しなければならないが、ある共有者がこの負担義務を1年以内に履行しないときは、他の共有者は相当の償金を支払ってその共有者の持分を取得することができる。(60-7-1)
ヒント 自分勝手はいけませんぜ。

共有物の変更

管理に近いようでも、共有物の現状や性質を変えてしまう、変更や処分行為は、各共有者に大きな影響を与えますので、共有者全員の合意で行う必要があります。
例えば、共有物である建物を建て替えたり、増築をしたりする場合です。また、共有物である農地を、用途変更して宅地化にすることも、農地を宅地に変えてしまうわけですから、全員の合意が必要です。
過去問
甲は、乙、丙と平等の割合で土地を共有している。その土地が農地であった場合、甲は乙及び丙の同意がなくても宅地にすることができる。(52-4-1)
ヒント だって変更すると他の方にも影響が大きいでしょう。
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共有物の保存

共有物の保存行為は、各共有者が単独で出来ます。
保存行為というのは、共有物の現状を維持する行為です。他の共有者の同意はいりません。他の共有者にとっても利益になるからです。
共有物の保存に当たる代表的な事例は、共有物である建物のペンキがはげていたので、塗り直したり、建物に浮浪者やゴッツイ、タコ坊主のヤクザ者等の、不法占拠者が住み着いていたので、明け渡しを請求する裁判を起こしたりすることです。
ここは、簡単です。他の共有者のためにもなるから、自分一人でよいです。
過去問
各共有者は、単独で共有物の保存行為をすることができる。(55-6-3)
ヒント だって、保存行為は他の者も喜ぶでしょう

共有物の持分の処分

共有者は、他の共有者の同意がなくても、自己の持分のみは自由に処分出来ます。
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4.000万円の別荘をAが1.200万円、Bが800万円、Cが2.000万円出して購入した例では、Aが自己の30%の持分を売ったり、担保にしたり放棄するためには、BやCの同意はいらないということです。
これは、Aの持分は、あくまでも所有権だからです。所有権というのは、何でも出来る権利です。売ったり、担保にいれたりするのも自由です。
なお、共有者が、他の共有者の持分までも処分するには、その共有者の同意が必要です。
この場合はどうなりますか?売主の担保責任の「一部が他人の物を売ったので、その一部を買主に移転できないとき」に当たり、善意の買主は代金減額と契約解除を請求出来ます。悪意の買主は代金減額だけを請求出来るという結論になります。
この辺は、民法の横断的な理解ですが、みんなわかるよね?何となく、民法の全体像がわかってきました?
過去問
甲は、乙、丙と平等の割合で土地を共有している。甲は、乙及び丙の同意がなければ、自己の持分を放棄することはできない。(52-4-2)
ヒント だって、共有の持分は、自分のものだもの。
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共有とは

共有とは、共同所有の略です。所有権は1つの物を1人で所有しているのが基本です。しかし、1つの不動産を夫と妻が共同で所有しているような場合もあるでしょう。
というか、最近分譲マンションを購入される方は夫婦共有名義が多いのではないでしょうか。
共有物の持分
共有の場合、各共有者にはそれぞれ割合的な権利として持分という概念があります。その共有物についてどれくらいの割合で支配をしているかということです。
持分は各共有者の協議で自由に決められます。しかし、基本的には例えば出資した割合によります。例えば4.000万円の別荘をA1.200万円、Bが800万円、Cが2.000万円出して購入したとすると、持分はAが30%、Bが20%、Cが50%になります。
なお、共有者が持分を定めなかったときなど、持分の割合がはっきりしないときには、各共有者の持分は頭割りで平等な持分になります。
共有者は、共有物の全部についてその持分に応じた使用・収益をすることが出来ます。Aは30%しか持分がないから共有物の30%しか使えないのではありません。
例えば購入した家が3LDKだったとしますと、30%の1部屋分しか使えないのでは無く、全部について使用・収益が出来ます。
実際は年間で何日使うなど日割りの形でしょう。先ほどの例ですと1年間の内Aが30%でBが20%、Cが50%というように使用する形になります。あに?うちの宿六亭主には押入れで充分だ?辛いね・・亭主は。
過去問
甲は、乙、丙と平等の割合で土地を共有している。甲は、その土地の全部につき、その持分に応じた使用をすることができる。(52-4-4)
ヒント 全部について持分に応じた使用が出来ます。