平成20年 宅建試験過去問 問13 賃借権及び一時使用と借地権

Aが所有している甲土地を平置きの駐車場用地として利用しようとするBに貸す場合と、一時使用目的ではなく建物所有目的を有するCに貸す場合とに関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。
○建物所有を目的としない土地の賃貸借
○建物所有目的の土地の賃貸借(借地権)
以上の違いを問う問題です。
1 AB間の土地賃貸借契約の期間は、AB間で60年と合意すればそのとおり有効であるのに対して、AC間の土地賃貸借契約の期間は、50年が上限である。
建物所有を目的としない土地の賃貸借は、借地借家法が適用されないため、民法の規定により、20年までになります。
20年を超えて存続期間を定めても20年に短縮されます。
又、建物所有目的の土地の賃借権は、借地借家法が適用され、一時使用目的の土地の賃貸借や事業用借地権を除き、当事者間の合意により存続期間を60年にすることができます(30年以上なら自由)。50年が上限ではありません。 よって ×
(参考過去問)
借地権の存続期間は、契約で25年と定めようと、35年と定めようと、いずれの場合も30年となる。(5-11-1) ×
2 土地賃貸借契約の期間満了後に、Bが甲土地の使用を継続していてもAB間の賃貸借契約が更新したものと推定されることはないのに対し、期間満了後にCが甲土地の使用を継続した場合には、AC間の賃貸借契約が更新されたものとみなされることがある。
賃貸借の期間が満了した後、賃借人が賃借物の使用又は収益を継続する場合、
賃貸人がこれを知りながら異議を述べないときは、
従前の賃貸借契約と同一の条件で更に賃貸借契約をしたものと推定されます。よって前段は ×
ちなみに、借地上に建物が残っており、期間満了後も借地権者が引き続き土地の使用を継続し、
土地の所有者が、遅滞なく正当事由をもって異議を述べない場合、
従前の賃貸借契約と同一の条件で更新したものとみなされます。よって後半は ○
(参考過去問)
Aは、Bの所有する土地を賃借し、その上に木造の建物を所有している。借地権の存続期間満了の際、Aが契約の更新を請求した場合において、建物が存在し、Bが異議を述べなかったときは、前の契約と同一の条件をもって、更に借地権を設定したものとみなされる。(1-12-2)○
3 土地賃貸借契約の期間を定めなかった場合、Aは、Bに対しては、賃貸借契約開始から1年が経過すればいつでも解約の申入れをすることができるのに対し、Cに対しては、賃貸借契約開始から30年が経過しなければ解約の申入れをすることができない。
存続期間を定めなかったときは、貸主・借主のどちらも、いつでも解約の申入れをすることができ、
申入れから1年が経過すると賃貸借契約は終了します。
つまり、賃貸借契約開始から1年が経過していなくても、1年が経過していても、解約の申し入れはできます。
後半、借地権は、期間が満了して更新されなかった場合、賃貸借契約が終了するので、
解約の申入れにより賃貸借契約が終了するわけではありません。よって ×
4 AB間の土地賃貸借契約を書面で行っても、Bが賃借権の登記をしないままAが甲土地をDに売却してしまえばBはDに対して賃借権を対抗できないのに対し、AC間の土地賃貸借契約を口頭で行っても、Cが甲土地上にC所有の登記を行った建物を有していれば、Aが甲土地をDに売却してもCはDに対して賃借権を対抗できる。
○建物所有を目的としない土地の賃貸借
賃借権の登記をしていなかったときは、新所有者に賃借権を対抗できません。
対抗要件は登記です。
○建物所有目的の土地の賃貸借(借地権)
賃借権の登記をしていなくても、借地上の建物に登記があれば、新所有者に賃借権を対抗できます。
借地権も、民法と同じく借地権の登記があれば、第三者(新所有者)に対抗(主張)できます。
しかし、借地権の登記は借地人だけではできません。
借地権設定者の協力が必要です。
借地権が地上権であれば、借地権設定者は登記に応じる義務があるため、問題ありませんが、
債権である賃借権の場合は、借地権設定者は登記に協力をする義務がありません。
そこで、借地借家法は、借地に借地権の登記がなくても、借地上の土地に、
借地権者が登記されている建物を所有するときは、
これをもって第三者に対抗できるという規定をおきました。
借地上に家を建てるときに、「これは私のものです」と登記をすれば、
その後に土地を買った第三者(新オーナー)に対抗できるのです。
建物は自分の所有物のため、自分だけで登記できます。
よって4番が○で正解肢です。複雑な問題ですが、正解肢はやさしいものでした。
(参考過去問)
借地権者が土地の上に登記した建物を所有しているときは、地上権又は土地の賃借権の登記がなされていない場合でも、土地所有者から当該土地の所有権を取得した第三者に対して当該借地権を対抗することができる。(60-12-3) ○

平成20年 宅建試験過去問 問12 遺留分

Aには、相続人となる子BとCがいる。Aは、Cに老後の面倒をみてもらっているので、「甲土地を含む全資産をCに相続させる」 旨の有効な遺言をした。この場合の遺留分に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 Bの遺留分を侵害するAの遺言は、その限度で当然に無効である。
自分の財産をどう処理しようが自由ですから、相続人が持っている遺留分を侵害した遺贈でも効力を生じます。
しかし、この場合、遺留分を侵害された相続人は、侵害された部分について、遺産をもらった者に対して遺留分に対しては返還を請求できます。これを、遺留分減殺(いりゅうぶんげんさい)請求権といいます。よって ×
(参考過去問)
遺留分を侵害した遺言は、すべて無効である。(63-8-3) ×
2 Bが、Aの死亡の前に、A及びCに対して直接、書面で遺留分を放棄する意思表示をしたときは、その意思表示は有効である。
遺留分には、将来の相続人の生活費の意味合いがありますが、そんなもの当てにしないよという相続人もいるでしょう。
そのため、相続人は「相続の開始前に家庭裁判所の許可」を受ければ遺留分を放棄することができます。口頭や書面では足りません。 よって ×
3 Aが死亡し、その遺言に基づき甲土地につきAからCに対する所有権移転登記がなされた後でも、Bは遺留分に基づき減殺を請求することができる。
遺留分減殺請求権は、遺留分の侵害を知ってから1年以内、かつ相続開始後10年以内に行使する必要があります。
これは、相続人ごとに行使します。例えばAは請求したけど、Bはしなかったということもできます。
そのため、例えば、遺言に基づいて所有権移転登記がなされても、上の期間内ならば、遺留分減殺請求はできます。
登記の前か後かで、遺留分の減殺請求ができなくなることもありません。よって ○
4 Bは、遺留分に基づき減殺を請求できる限度において、減殺の請求に代えて、その目的の価額に相当する金銭による弁償を請求することができる。
遺留分減殺請求があった場合、現物で返還するか目的物の価額を金銭等で弁償するかは、受贈者及び受遺者の選択に任せています。
遺留分権利者が、減殺の請求に代えて、贈与や遺贈の目的物の価額に相当する
金銭による弁償を請求することはできません。よって ×

平成20年 宅建試験過去問 問11 不法行為

Aが故意又は過失によりBの権利を侵害し、これによってBに損害が生じた場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 Aの加害行為によりBが即死した場合には、BにはAに対する慰謝料請求権が発生したと考える余地はないので、Bに相続人がいても、その相続人がBの慰謝料請求権を相続することはない。
裁判で争われた事例で、被害者が即死したときに、亡くなった本人の損害賠償請求権があると想定して、それが相続できるかというものがありました。
例えば、被害者が即死した場合は、死亡してこの世にいないわけですから、被害者本人の損害賠償請求権はありません。
そう考えると、被害者本人の損害賠償請求権が、相続人に受け継がれることはないような気がします。
しかし、そもそも不法行為制度は被害者側を厚く保護することに目的があります。
とすれば、即死とはいえ死ぬまでにタイムラグがありますので、
被害者は死んだことを理由として加害者に損害賠償を請求できますし、その損害賠償請求権が相続人に相続されます。
また、慰謝料請求権も相続の対象になります。 ×
(参考過去問)
甲建物の占有者である(所有者ではない。)Aは、甲建物の壁が今にも剥離しそうであると分かっていたのに、甲建物の所有者に通知せず、そのまま放置するなど、損害発生の防止のため法律上要求される注意を行わなかった。そのために、壁が剥離して通行人Bが死亡した。
この場合、Bの相続人からの不法行為に基づく損害賠償請求に間して、Bが即死した場合、B本人の損害賠償請求権は観念できず、その請求権の相続による相続人への承継はない。(13-10-1) ×
2 Aの加害行為がBからの不法行為に対して自らの利益を防衛するためにやむを得ず行ったものであっても、Aは不法行為責任を負わなければならないが、Bからの損害賠償請求に対しては過失相殺をすることができる。
被害者が他人の不法行為に対し、自己や第三者の権利(法律上保護されるべき利益)を守るため、やむをえず加害者に加害行為をした場合、
正当防衛とみなされて損害賠償の責は負いません。 ×
3 AがCに雇用されており、AがCの事業の執行につきBに加害行為を行った場合には、CがBに対する損害賠償責任を負うのであって、CはAに対して求償することもできない。
「使用者責任」
使用者責任とは、従業員(被用者)が不法行為を行ったとき、
従業員とは別に、その従業員を雇っている使用者(宅建業者)が損害賠償責任を負うことです。
使用者は従業員を雇って利益をあげていますので、利益を得ている以上、マイナスのことがあれば面倒をみる責任があるのです。
「求償」
使用者が被害者から請求されて、損害賠償金を支払った場合、
使用者は従業員(被用者)に対して、損害を求償(きゅうしょう=請求)できます。不法行為を行ったのは従業員だからです。
使用者が被害者に損害を賠償したときは、使用者が立て替え払いしたことになりますので、使用者は従業員にその分の弁償を請求できるのです。
従業員がわざと又は重大な過失で不法行為を行った事情がなくても、使用者は、従業員に弁償させることができます。 ×
(参考過去問)
従業員Aが宅地建物取引業者Bの業務を遂行中に第三者Cに不法行為による損害を与えた場合、Bは、その損害を賠償しなければならないが、Aに対してその求償をすることはできない。(4-9-4) ×
4 Aの加害行為が名誉毀損で、Bが法人であった場合、法人であるBには精神的損害は発生しないとしても、金銭評価が可能な無形の損害が発生した場合には、BはAに対して損害賠償請求をすることができる。
ちなみに、加害者の加害行為が名誉毀損行為にあたる際には、被害者が法人であった場合、
法人には感情がないため、精神的損害は発生しませんが、
金銭評価が可能な無形の損害が発生した場合、被害者は加害者に対して損害賠償請求をすることができます。 よって ○
※不法行為の問題は、年々文章も長くなっており、難しいのですが4番の正解肢は常識の範囲で解けると思います。

平成20年 宅建試験過去問 問10 賃貸借と敷金

Aは、自己所有の甲建物 (居住用) をBに賃貸し、引渡しも終わり、敷金50万円を受領した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
1 賃貸借が終了した場合、AがBに対し、社会通念上通常の使用をした場合に生じる通常損耗について原状回復義務を負わせることは、補修費用を負担することになる通常損耗の範囲が賃貸借契約書の条項自体に具体的に明記されているなど、その旨の特約が明確に合意されたときでもすることができない。
原則として、社会通念上通常の使用をした場合に生じる通常損耗について原状回復義務を負うことはありませんが、
判例によると契約書に具体的に明記されている時は、
通常損耗についても負担する義務を負います。
これは、事前に合意があるためです。よって ×
2 Aが甲建物をCに譲渡し、所有権移転登記を経た場合、Bの承諾がなくとも、敷金が存在する限度において、敷金返還債務はAからCに承継される。
賃借人が旧賃貸人に差し入れていた敷金や保証金などは、
後日、賃貸借が終了した時に新賃貸人が、未払賃料などを控除した残額について、返還する義務を負います。
返還義務は旧ではなく、新賃貸人が負うのです。
なお、新賃貸人のこの敷金返還義務は、新賃貸人が旧賃貸人から敷金を受け取るなどをして事務の引継ぎを受けなくても負う義務です。
賃貸人が交代するには、賃借人の承諾はいりませんので、賃貸人が勝手に交代してしまった場合、賃借人は、旧賃貸人から敷金を取り戻そうと思っても、賃貸人がどこにいるかさえわからなくなる可能性があるからです。
そのために、敷金の返還は新賃貸人の義務にしました。
賃貸借契約期間中に所有権が移転した場合(Cが賃貸人の地位を承継)、旧賃貸人に差し入れられていた敷金は当然に、新賃貸人に承継されます。賃借人の承諾はいりません。 ○
(参考過去問)
賃貸人Aと賃借人Bとの間の居住用建物の賃貸借契約に関して、この建物が、その敷地の売却に伴い2年後に取り壊されることが明らかな場合に、BがAに敷金を交付していた場合に、Aがこの建物をDに売却し、賃貸人としての地位をDに承継したときでも、Dの承諾がない限りAの敷金返還債務は承継されず、Bは、Aに対してのみ敷金の返還請求をすることができる。(11-14-4) ×
3 BがAの承諾を得て賃借権をDに移転する場合、賃借権の移転合意だけでは、敷金返還請求権 (敷金が存在する限度に限る。) はBからDに承継されない。
合法な転貸の場合です。この場合原則として、敷金返還請求権はそのまま旧賃借人にあります。 ○
(まとめ、敷金の譲渡などがない場合)
1番の賃貸人の交替→敷金返還請求は新賃貸人が負う。
3番の賃借人の交替→敷金返還請求は旧賃借人にある。
(参考過去問)
Aは、A所有の建物を、Bから敷金を受領して、Bに賃貸したが、Bは賃料の支払いを遅滞している。Bが未払賃料を支払って、Aの承諾を得て賃借権をEに譲渡した場合、Bが、Eに敷金返還請求権を譲渡する等しなくても、敷金に関する権利義務関係は、Eに承継される。(6-10-4) ×
4 甲建物の抵当権者がAのBに対する賃料債権につき物上代位権を行使してこれを差し押さえた場合においても、その賃料が支払われないまま賃貸借契約が終了し、甲建物がBからAに明け渡されたときは、その未払賃料債権は敷金の充当により、その限度で消滅する。
賃貸借が終了し建物が明け渡された場合、賃料債権は敷金が存在する限度において(敷金の額の限度において)、敷金の充当により消滅します。
これは、敷金の性格が賃料債権等の未払いに対して優先して充当されるものだからです。
賃貸借の契約書などには、敷金の弁済は賃料債権に優先して充当するという特約が入っている場合が多くあります。 よって ○
賃貸人とか新賃借人とかいろいろな人が入り混じるので、図を書いて整理しましょう。A→B など。

勤め人時代の収入

【1】勤め人時代の収入との比較
1、どう考えていたの?
先日、ある会社の社長さんとお話をしました。
起業して20年超、年齢60歳超で、従業員は400名くらいかかえていらっしゃる、
地元では有名な、バリバリのオーナー社長さんです。
その社長と、私の「創業時期初期」に創った事業計画書の概要の話になりました。
今見ると、とても恥ずかしい計画なのですが・・。
んで、一言社長:「どう考えていたの?あかんよ。」
私:「 は? 」
2、何で怒られた?
これ、何かと言うと、私の事業計画は、一年目は赤字かほぼトントン。
2年目で300~500万円程度のあがりというか、
自分の給料が取れるという計画だったんですね。
一般的に多い収支計画だと思います。1年目は仕方がないが、
2年~3年目でドンドン浮上というような。
社長:「こんなんで開業するなんざ、甘いですよ。
1年目は仕方がないかもしれない。
本当は、1年目でも、トントンでは駄目だけど・・。まぁ、そこはおいておいて。
でも、箕輪さん。
40歳だったら、どこかに勤めても500万円くらいは、普通にもらえるでしょ?
ましてや、収入が勤め人の時の給料より少なくなるなら、
開業なんかする必要はないよ!何で2年目で収入500万円そこらの計算なの?」
と怒られたわけです。
3、自分の生活と収支バランス
それで、私は社長に質問しました。
私: 「ちなみに社長は、開業初年度、いくらぐらい給料をとられたのですか?」
社長:「私は、商社に勤めていたので、勤め人時代に、
1,000万円超の給料がありました。
それにプラスして経費も相当使えましたし。
だから、開業して初年度から1,000万円とか2,000万円取れないのならば、
開業する意味はないと思っていました。
だから、事業計画書は、それこそ1年~2年かけて綿密に綿密に練りましたよ。
ちなみに、1年目から役員報酬 1,000万円はとっていました。
勿論、法人なので数字のマジック的に売上がなくても、
役員報酬は取れるのですが
(箕輪注:簡単には、売上がなければ、当然決算は赤字になるが、
資本金などは、自分の給料分を見越していれてあったということ。
つまり、会社の資金にかなり余力がある形の事業計画になっていた)。
開業して1年~2年で勤め人時代の収入をはるかに越えられないのならば、
その計画が甘いんですよ。
なぜなら、自分の生活レベルは変えられないからです。
今の生活を落として起業しても、直ぐに限界がきますよ。」
とのお話。
4、自分の生活レベルと起業と
いや~、さすがに数百人かかえていらっしゃる経営者の言うことは、
ズシンときますね。
たしかにおっしゃるとおり。グゥの音も出ません・・・・ グゥ。
ただ、私のよく言っている考えも間違っていないことがわかりました。
「開業する場合、1年間暮らせるだけのゼニは手元に持っておいて下さい」と。
これは、人それぞれです。
単身者で実家住まいの方と、
子供がいて購入したマンション住まいではまったく違います。
ただ、1年目はある程度辛抱で収支トントンでも、
いかに2年目に至る種まきをしていけるかが重要になってきます。
だから、最低1年分は「今の生活レベルを落とさなくても暮らせるだけの」
資金の余裕が必要なのです。
結局、事業計画を大きくみせるわけではなく、本当の数字を厳しく考えた上で、
今勤めている会社の年収を、2~3年ではるかに越えられるか?ですね。
勿論、起業の醍醐味はお金の面だけではありません。
しかし、事業を起こすのならば、生活レベルも考えざるを得ないということです。
家族がいる方は特に・・。
事業計画はいかがですか?
あせっても仕方ありません。起業をする前に自分の生活レベルはどうか?
綿密に数字をたたいてみましょう。準備は周到に。周到に。

平成20年 宅建試験過去問 問9 売主の担保責任

宅地建物取引業者であるAが、自らが所有している甲土地を宅地建物取引業者でないBに売却した場合のAの責任に関する次の記述のうち、民法及び宅地建物取引業法の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。
これは、民法の売主の担保責任と業法の8種規制が絡んでいます(宅建業者自らが売主のため)。
横断的に整理できているかどうかが問われる問題ですね。
1 売買契約で、Aが一切の瑕疵担保責任を負わない旨を合意したとしても、Aは甲土地の引渡しの日から2年間は、瑕疵担保責任を負わなければならない。
買主に有利かどうかで判断します。
が一切の瑕疵担保責任を負わない旨を合意しても、民法より不利な規定のため無効。その場合、民法の一般原則に帰ります。
民法の原則では、この瑕疵担保の請求期間は、瑕疵があることを「知ったときから1年」です。
引き渡しからではありません。
よって ×
(参考過去問)
宅地建物取引業者でも事業者でもないAB間の不動産売買契約における売主Aの責任に関して、売買契約に、瑕疵担保責任を追及できる期間について特約を設けていない場合、Bが瑕疵担保責任を追及するときは、隠れた瑕疵があることを知ってから1年以内に行わなければならない。(19-11-4) ○
2 甲土地に設定されている抵当権が実行されてBが所有権を失った場合、Bが甲土地に抵当権が設定されていることを知っていたとしても、BはAB間の売買契約を解除することができる。
売主の担保責任の例外です。
悪意の買主でも、契約解除と損害賠償を請求できます。
通常、売買契約で抵当権が設定されているのは当たり前。
よって、買主が知っていても抵当権が実行された場合解除できます。 ○
(参考過去問)
Aは、B所有の建物を購入した。建物に抵当権が設定されていた場合、Aが善意であるときに限り、契約を解除することができる。(59-6-2) ×
3 Bが瑕疵担保責任を追及する場合には、瑕疵の存在を知った時から1年以内にAの瑕疵担保責任を追及する意思を裁判外で明確に告げていればよく、1年以内に訴訟を提起して瑕疵担保責任を追及するまでの必要はない。
ちなみに、瑕疵担保責任を追及する場合、瑕疵の存在を知ったときから1年以内にその意思を明確にすれば足り、裁判上の行使までは必要ありません。 ○
4 売買契約で、Aは甲土地の引渡しの日から2年間だけ瑕疵担保責任を負う旨を合意したとしても、Aが知っていたのにBに告げなかった瑕疵については、瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求権が時効で消滅するまで、Bは当該損害賠償を請求できる。
宅建業法上、瑕疵担保責任において、民法の定めより、買主に不利な特約をしても、その特約が有効になる例外が、1つだけありますので、覚えておいて下さい。
それは、売主は目的物を引渡した時から2年以上、瑕疵担保責任を負うという特約です。
引渡時から2年以上責任を負えば、季節も2度めぐってくるので、最低限瑕疵があれば、発見できると予想したわけです。
ということは、引き渡しの日から2年間だけ瑕疵担保を負う合意は有効です。
1番の問題とは意味が違います。
1番はそもそも無効な合意→民法の原則に戻るという例です。
こちらは引き渡しから2年間なので、合法です。
しかし、それでも、常識に考えて買主が「知りながら告げなかった瑕疵」については、責任を負う必要があります。よって ○
(参考過去問)
宅地建物取引業者でも事業者でもないAB間の不動産売買契約における売主Aの責任に関して、売買契約に、隠れた瑕疵についてのAの瑕疵担保責任を全部免責する旨の特約が規定されていても、Aが知りながらBに告げなかった瑕疵については、Aは瑕疵担保責任を負わなければならない。(19-11-1) ○

主要経営人の略歴

事業計画書を作る場合、「主要経営陣の略歴」も重要です。なぜなら人は人に興味があるからです。
どんな人が事業を行っているのか??
そこに、興味をもたすことが重要になります。
○何を書くべきか?
こういう人物(又はメンバー)が事業を行うのならば成功しそうだ!と思えるよう、これまでの仕事の経歴・実績・強み、今までの事業と今回の事業への繋がりなどをわかりやすく書きます。
A4版1ページで、必ず関心をもってもらうように書くこと。
携わった社内外のプロジェクト(実績)があれば、それも書くことも重要です。
○今まで特に実績がない場合
なぜ、自分達がこの事業をやりたいのか?
この事業を成功させるためのポイントなどを、相手が納得できるように書く必要があります。
※ポイント
結局、人が全て。経営陣に興味をもってもらえるようにする。
事業を成功させる上で重要な自らの経験や実績を簡潔に書くこと。小学校からの履歴書を書くわけではない。
結局のところ、言い古されているかもしれませんが、棚卸により、自己(又は自社)の経験上の強みを納得してもらう形になります。

エグゼクティブサマリー

エグゼクティブサマリーとは、ブジネスプランの要点をまとめた事業計画の概要です。
大体A4で1枚程度にまとめます。この1ページで本事業の内容を、誰が聞いてもすぐに納得できるように書きます。
「誰が聞いても直ぐにわかる。」
ここが結構大事です。
特に「商売をやる上で、自分が勝てる理由」をはっきり説明できるようにして下さい。
一人よがりな事業ではなく、商品・サービスの提供(ターゲット市場)が明確であり、顧客ニーズを把握し、ライバルの状況も理解した上で、ビジネスをどう展開するのかを書いていきます。
○重要なポイント
エグゼクティブサマリーだけを読んでも、この事業のポイントがわかる。
なぜ、この商売で勝てるのか?を端的にわかるように書く。
口頭で30秒~1分程度で、仕事の内容を相手に伝えることができるように書く。
○書いておきたいこと
1、主要経営者の略歴~何をしてきた方なのか?
2、自らの製品・サービスの特徴
3、サービス展開の、顧客市場と市場規模
4、対象とする顧客やユーザーの特性
5、自分の優位性(ライバルの状況や、自社が勝ち続ける理由)
6、売上、収益計画
7、資金調達計画

平成20年 宅建試験過去問 問8 弁済

弁済に関する次の1から4までの記述のうち、判決文及び民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
(判決文)
 借地上の建物の賃借人はその敷地の地代の弁済について法律上の利害関係を有すると解するのが相当である。思うに、建物賃借人と土地賃貸人との間には直接の契約関係はないが、土地賃借権が消滅するときは、建物賃借人は土地賃貸人に対して、賃借建物から退去して土地を明け渡すべき義務を負う法律関係にあり、建物賃借人は、敷地の地代を弁済し、敷地の賃借権が消滅することを防止することに法律上の利益を有するものと解されるからである。
売買契約が成立すると、売主は、買主に不動産を移転する債務(義務)を負い、買主は売主に代金を支払う債務を負います。
弁済とは、その義務(債務)のことです。
弁済のことを給付ということもあります。
1 借地人が地代の支払を怠っている場合、借地上の建物の賃借人は、借地人の意思に反しても、地代を弁済することができる。
弁済は債務がある者つまり債務者がするのが原則です。
それはそうですよね。
しかし、保証人になっているなどの利害関係がある第三者は、債務者の意思に反しても弁済ができます。
例えば、保証人または連帯保証人、抵当不動産の第三取得者、物上保証人などです。
借地上の建物の賃借人も、借地人が弁済をしないと追い出される可能性があるので、弁済をすることができます。よって ○
(参考過去問)
Aは、土地所有者Bから土地を賃借し、その土地上に建物を所有してCに賃貸している。AのBに対する借賃の支払債務に関して、Cは、借賃の支払債務に関して法律上の利害関係を有しないので、Aの意思に反して、債務を弁済することはできない。(17-7-1) ×
2 借地人が地代の支払を怠っている場合、借地上の建物の賃借人が土地賃貸人に対して地代を支払おうとしても、土地賃貸人がこれを受け取らないときは、当該賃借人は地代を供託することができる。
ちなみに、相手(債権者等)が弁済の受取を拒んだ場合、供託所に供託すれば、債務を免れることができます。
供託制度とは、紛争があった時に一旦お上が預かる制度です。
注意点としては、何でも間でも供託をするのではなく何か争いがあった場合の非常手段です。
相手方が明確に受取を拒否する場合などですね。
よって ○
(参考過去問)
Aは、土地所有者Bから土地を賃借し、その土地上に建物を所有してCに賃貸している。AのBに対する借賃の支払債務に関して、Aは、特段の理由がなくとも、借賃の支払債務の弁済に代えて、Bのために弁済の目的物を供託し、その債務を免れることができる。(17-7-4) ×
3 借地人が地代の支払を怠っている場合、借地上の建物の賃借人は、土地賃貸人の意思に反しても、地代について金銭以外のもので代物弁済することができる。
弁済は、債務の対象そのもので行う必要があります。
土地Aを売ったのに土地Bを引渡しても仕方がありません。
でも、逆にいえば相手方、つまり買主がBの土地でいいよといえば、それは有効です。この、他の物で弁済をすることを代物弁済(だいぶつべんさい)といいます。
代物弁済は、金銭以外の他の物で弁済するわけですから、相手方の承諾が必要になります。よって ×
4 借地人が地代の支払を怠っている場合、借地上の建物の賃借人が土地賃貸人に対して地代を弁済すれば、土地賃貸人は借地人の地代の不払を理由として借地契約を解除することはできない。
弁済の効果
債務者だろうが、第三者だろうが、債権者は弁済をしてもらえば問題ないわけです。弁済すれば債務は消滅します。
例えば、家賃の支払いでしたら、債務は消滅しますので、地代の不払いにはなりません。
よって ○
問題自体は、じっくり読めば解ける気がしますが、長文のため試験会場ではあせるでしょね。
できてほしい問題。