41問目 宅建業法8種規制

ポイント~8種規制はアマチュア保護(買主保護)の規定だ。
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBと建物の売買契約を締結しようとし、又は締結した場合に関して、次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
宅建業者は、売買や交換など色々な契約にタッチするわけですが、今回は宅建業者が、自ら売主になるときのみに適用される8種類の規制のお話です。
宅建業者が「自ら売主になり」かつ、相手方が宅建業者ではない場合に適用になります。全部で8つあるので「8種規制」とか「8つの制限」と呼ばれています。
何故こういった制限ができたのかといいますと、宅建業者が自ら売主となり、買主が宅建業者でない場合は、プロの宅建業者とアマチュアのお客さんとの関係になるからです。
そのため、自ら売主となるプロの宅建業者を特別に規制して、アマチュアの買主をより保護するため8種類の規制が作られました。アマチュアを保護するという、宅建業法の目的そのままの規定です。
本試験までには、問題で、宅建業者が「売主」ときた瞬間にハイハイ8種規制絡みがきたかね?というくらいになっておいて下さいね。
1 Aは、自己の所有に属しない建物を売買する場合、Aが当該建物を取得する契約を締結している場合であっても、その契約が停止条件付きであるときは、当該建物の売買契約を締結してはならない。
他人物売買の禁止
宅建業者が自ら売主となり、かつ、買主が宅建業者でない場合には、宅建業者は、他人の所有に属する宅地建物又は工事完了前の宅地建物について、売買契約(売買契約の予約を含む)を締結してはなりません。
民法上は、自己の所有に属しない物件でも、売買をすることは自由でしたよね。他人物売買は有効だとお話しました。
例えば、AはB所有の宅地を、自由にCに売却することができます。しかし、本当の所有者Bが手放すつもりがなければ、結局のところ買主Cはその物件を取得することができません。
そこで、プロの宅建業者とアマチュアのお客さんとの関係では、民法の原則を、一歩進めて、お客さんが有利になるように修正したのです。
また、他人と停止条件付売買契約を締結しても、その停止条件が成就するまでの間は、まだ、他人の所有に属する宅地建物を売ることはできません。
停止条件というのは、民法でお話しましたが、ある条件が成しとげられたら効力が発生する、「将来の不確実な契約」のことです。例えば、宅建試験に合格したら、家を売るなどの条件です。100%合格するとは誰も言えないため、不確実なことになります。よって、問題は ○
参考過去問
宅地建物取引業者Aが自ら売主となって宅地建物の売買契約を締結した場合に関して、Iの所有する宅地について、AはIと停止条件付で取得する売買契約を締結し、その条件が成就する前に当該物件についてJと売買契約を締結した。宅地建物取引業法の規定に違反する。(17-35-4) ○
2 売買契約の締結に際し、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める場合において、これらを合算した額が売買代金の2割を超える特約をしたときは、その特約はすべて無効となる。
損害賠償の予定額等の制限
宅建業者が自ら売主となり、かつ買主が宅建業者でない場合に、宅建業者は、債務不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償額を予定し、又は違約金を定めるときは、これらを合算した額が代金額の20%を超えることとなる定めをしてはならず、これに反する特約は、代金額の20%を超える部分について無効になります。
すべて無効などという言葉はピンと反応してくださいね。何か違うと。×
参考過去問
宅地建物取引業者Aが自ら売主として、宅地建物取引業者でないBとの間で土地付建物の売買契約を締結した場合、当該契約において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、文は違約金を定めるときは、これらを合算した額が代金の額の10分の2を超える定めをしてはならない。(18-39-2)
定めをした場合、2割を超える部分が無効ということです。よって ×
3 「建物に隠れた瑕疵があった場合、その瑕疵がAの責に帰すことのできるものでないときは、Aは瑕疵担保責任を負わない」とする特約は有効である。
瑕疵担保責任の特約の制限
宅建業者が自ら売主となり、かつ買主が宅建業者でない場合には、宅建業者は、その目的物の瑕疵担保責任に関して、民法の規定よりも買主に不利となる特約をしてはなりません。これに反する特約は無効です。
民法は無過失責任を定めています。問題は売主に責がある場合なので、売主有利ですよね?よって無効つまり ×
参考過去問
宅地建物取引業者Aが行う業務に関して、Aは、自ら売主として行う造成済みの宅地の売買において、買主である宅地建物取引業者と、「Aは瑕疵(かし)を担保する責任を一切負わない」旨の特約を記載した売買契約を締結した。宅地建物取引業法の規定に違反しない。(18-41-3)
相手が宅建業者だから、○ これが引っかけ。
4 Bがホテルのロビーで買受けの申込みをし、3日後にBの自宅で売買契約を締結した場合、Bは、当該建物の引渡しを受け、かつ、その代金の全部を支払っているときでも、当該売買契約の解除をすることができる。
事務所等以外の場所で行った、買受の申込みの撤回等(クーリングオフ)
買主が物件の引渡しを受け、かつ代金全額を支払った場合クーリングオフはできなくなります。だって、物件の引渡しを受け、しかも代金まで全額払ったのは、よくよく考えた上での行動です。この場合、もはや衝動買いとは言えないからです。
参考過去問
宅地建物取引業者でないAは、宅地建物取引業者Bに対し、Bが売主である宅地建物について、Aの自宅付近の喫茶店で、その買受けの申込みをした。この場合、申込みの撤回を行う前にAが売買代金の一部を支払い、かつ、引渡し日を決定した場合は、Aは申込みの撤回はできない。(13-44-4)
売買代金の一部です。ですから撤回できます。×