不動産取得税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1(免税点)
平成19年4月に土地を取得した場合に、
不動産取得税の課税標準となるべき額が30万円に満たないときには不動産取得税は課税されない。
課税標準が次の価格(固定資産課税台帳に登録された価格)に満たない少額の場合は、
課税標準がないとされます。したがって、不動産取得税がかかりません。この価格を不動産取得税の免税点といいます。
ア.
土地の取得の場合10万円 よって ×
イ.
家屋の取得の場合
a. 建築による取得23万円
b. その他(建築以外)の取得12万円
(参考過去問)
不動産取得税の免税点は、土地の取得にあっては30万円、
家屋の取得のうち建築に係るものにあっては一戸につき23万円、その他の家屋の取得にあっては一戸につき12万円である。(8-30-4)
×
2
(不動産取得税の納税額の控除)
平成10年4月に建築された床面積200㎡の中古住宅を法人が取得した場合の当該取得に係る不動産取得税の課税標準の算定については、
当該住宅の価格から1,200万円が控除される。
不動産取得税の納税額は、所得税と同じく(課税標準×税率=税額)
という式で求めることができます。
「課税標準」は、
不動産取得税では固定資産課税台帳に登録された価格を指します。しかし、実際の課税の場面では、
登録価格がそのまま課税標準になるわけではありません。一定の金額を登録価格から差し引いて(控除して)、
課税標準を決める必要があります。
次の場合は、
課税標準から一定の金額が控除されます。控除される理由は、住宅取得促進政策です。家を買え!経済が回るからという理由。
特例適用中古住宅
次の要件を満たす、中古住宅(既存住宅)の取得については、
課税標準から一戸当たり350万円~1,200万円が控除されます(建築年数によって異なります)。
a. 床面積が50m2以上240m2以下であること。
b. 木造は建築後20年以内であること、鉄筋コンクリート造などの耐火建築物や、
準耐火建築物は建築後25年以内であること。
または、
築年数を問わず、新耐震基準を満たすものか、昭和57年1月1日以降に建築された住宅であること。昭和57年1月1日以降に施工の場合は、
新耐震基準に適合したとみなされます。
c. 申告の手続きをすること。
d. 自己の居住用の建物であること。
この特例は、
個人の居住用住宅についてだけ適用されます。したがって、
法人が中古住宅を取得した場合や、個人が中古の賃貸アパートを取得した場合には適用されません。
よって問題は ×
3(税率)
平成19年4月に商業ビルの敷地を取得した場合の不動産取得税の標準税率は、
100分の3である。
不動産取得税の税額は、(課税標準×税率=税額)という式で求めることができますが、
税率の本則(地方税法の定め)は4%です。
ただし、
現在は特例により(平成18年4月1日~平成21年3月31日)土地・住宅では3%住宅以外の倉庫などでは3.5%です。これを標準税率といいます。
よって問題は ○
(参考過去問)
平成18年4月に住宅以外の家屋を取得した場合、不動産取得税の標準税率は、
100分の4である。(18-28-1) ×
4(適用除外)
不動産取得税は、
不動産の取得に対して課される税であるので、相続により不動産を取得した場合にも課税される。
次の場合、
不動産の所有権を取得しても、不動産取得税が非課税になります。
1. 海外の不動産を取得した場合
2. 相続によって取得した場合
3. 包括遺贈によって取得した場合
包括遺贈とは、
遺言により、すべて、または何分の1という形で、財産を特定の者に贈与することです。貰う者(受遺者)は民法上、
相続人と同一の権利義務を持ちます。そのため非課税になります。
4. 法人が合併によって取得した場合
5. お上が取得したとき
6. 収用による損失を土地で補償されたので、
その土地を取得した場合
7. 委託者のみが信託財産の元本の受益者である信託において、受託者から委託者に信託財産を移す場合の不動産の取得
よって問題は ×
(参考過去問)
包括遺贈による不動産の取得に対しても、不動産取得税が課税される。
(2-31-2) ×