ポイント~土地区画整理をする趣旨を理解しましょう。
地元の方の利便のためです。
土地区画整理法における土地区画整理組合に関する次の記述のうち、
正しいものはどれか。
1 土地区画整理組合を設立しようとする者は、
事業計画の決定に先立って組合を設立する必要があると認める場合においては、5人以上共同して、
定款及び事業基本方針を定め、その組合の設立について都道府県知事の認可を受けることができる。
土地区画整理組合とは、
土地区画整理事業の施行を目的とする公共組合(法人格がある)で、
7人以上が共同して、
定款(組合の決まり)および事業計画を定めて、知事の認可を受けることで設立されます。
よって ×
2 土地区画整理組合は、
当該組合が行う土地区画整理事業に要する経費に充てるため、
賦課金として参加組合員以外の組合員に対して金銭を賦課徴収することができるが、その場合、
都道府県知事の認可を受けなければならない。
賦課金とは、組合施行の土地区画整理事業で、保留地の処分が予定価格で売れなかったりして、
事業費が不足したときに組合員に賦課する追加の負担金のことをいいます。換地処分前に、
所有権を有する組合員から当該所有権を譲り受けた者も対象です。
都道府県知事の認可を受ける必要はありません。
よって×
参考過去問
組合施行の土地区画整理事業において、換地処分前に、
施行地区内の宅地について所有権を有する組合員から当該所有権を譲り受けた者は、
当該組合の総会において賦課金徴収の議決があったときは、賦課金の納付義務を負う。(18-24-2) ○
3 宅地について所有権又は借地権を有する者が設立する土地区画整理組合は、
当該権利の目的である宅地を含む一定の区域の土地について土地区画整理事業を施行することができる。
土地区画整理事業の施行者
土地区画整理事業を施行できるのは、個人、
土地区画整理組合、市町村、都道府県、地方住宅供給公社、独立行政法人都市再生機構、国土交通大臣、
区画整理会社
(土地の所有者等と民間事業者が共同で設立する株式会社のこと。
ただし、区画整理会社は、その土地区画整理事業の施行について、都道府県知事の認可を受けなければなりません。)
になります。
しかし、未登記の借地権者は、
施行者(組合)へのその権利(借地権)の申告が必要です。また、その権利(借地権)の移動があったときは、施行者(組合)
への届出が必要です。そうしないと、
施行者が借地権者を把握できないからです。
要するに、通常の個人でも誰でも、土地区画整理事業を施行することができます。ただ、実際に施行される土地区画整理事業は、
土地区画整理組合が行うのが一般的です。
しかし、駅前などを整然とした場所にするには、役所よりも、そこの地主さんや、商店街の会長などに音頭を取ってもらった方が、
うまく行く場合もありますので、民間人(個人施行者)に、土地区画整理事業を実施させることができるのです。
参考過去問
組合施行事業にあっては、施行地区内の宅地について所有権又は借地権を有するものは、
すべてその土地区画整理組合の組合員とされるが、未登記の借地権については、申告又は届出が必要である。
(4-27-1)
4 土地区画整理組合の設立の認可の公告があった日から当該組合が行う土地区画整理事業に係る換地処分の公告がある日までは、
施行地区内において、事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更や建築物の新築等を行おうとする者は、
当該組合の許可を受けなければならない。
土地区画整理事業の施行地区内(事業地)では、土地区画整理事業の施行の認可・組合の設立認可・事業計画の決定等の公告のあった日後、
換地処分の公告がある日までは、以下の行為を行うには、都道府県知事の許可
(国土交通大臣が施行するもののみは、国土交通大臣の許可)が必要になります。
ア.建築物を建築。
建築ですから、
新築、 増築、改築の全てが入ります。
イ.土地の形質の変更・
宅地の造成等。
ウ.政令で定める移動の容易でない物件の設置・堆積(たいせき)。
工事のじゃまになったり、予定が狂ってしまったりする可能性のある行為を放っておくわけにはいかないのです。
参考過去問
建築物の建築を行わない宅地の造成については、都道府県知事への届出が必要である。(63-25-4) ×
正解は3番です。土地区画整理は地元に基づいたことですから、できるだけお上よりは、
地元が推進して進めてほしいという願いのあらわれですね。法律の趣旨を考えること。