11問目 瑕疵担保責任の責任はどこまで

ポイント~瑕疵担保責任 売主は、
キズ物に対してどこまで責任を負う?

 

売った物がキズ物である。(瑕疵担保責任)

法律上の用語では、キズのことを瑕疵(カシ)
があったと言います。例えば家を買ったら土台をシロアリさんに食べられている場合です。また、
近い将来そこに道路が通ってしまう場合など、物理的に使用不能になる場合も含みます。

 

その時にどうするかというお話しです。何?
彼氏に何とかしてもらう?いいですね。仲良くて。うちの家は悪いみたいじゃない。話しを戻しましょう。

 

請求できるもの

 

善意・無過失の買主は、契約解除と損害賠償を請求できます。

悪意の買主は、何も請求できません。

 

これを、売主の瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)と言います。

瑕疵担保責任は隠れた瑕疵であることが必要です。

 

平成19年度11問目 瑕疵担保責任

宅地建物取引業者でも事業者でもないAB間の不動産売買契約における売主Aの責任に関する次の記述のうち、
民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

 

1 売買契約に、
隠れた瑕疵についてのAの瑕疵担保責任を全部免責する旨の特約が規定されていても、
Aが知りながらBに告げなかった瑕疵については、Aは瑕疵担保責任を負わなければならない。

 

民法上特約をすることは自由です。したがって、例えば「売主は瑕疵に付き責任を負わない。」
という特約は有効です。
その分売買代金など安くしているはずですから。

 

ただし、
売主がシロアリに食われているのを知っていて告げなかった場合などは、売主は特約があっても責任を負います。
その場合には買主は知らない形で(つまり金額なども通常のまま)契約しているからですね。○

 

 Bが不動産に隠れた瑕疵があることを発見しても、
当該瑕疵が売買契約をした目的を達成することができないとまではいえないような瑕疵である場合には、
Aは瑕疵担保責任を負わない。

 


軽微なキズ
の場合は解除できません。
修理で直る場合などですね。契約の目的を達成できない場合(家がシロアリで傾いてしまっているなど)くらいのキズでないと、解除できません。
その場合、損害賠償のみになります。×

 

参考過去問


Aが、BからB所有の土地付中古建物を買い受けて引渡しを受けたが、建物の主要な構造部分に欠陥があった、Aが、
この欠陥の存在を知らないまま契約を締結した場合、Bの担保責任を追及して契約の解除を行うことができるのは、
欠陥が存在するために契約を行った目的を達成することができない場合に限られる。(15-10-2)○

 

3 Bが不動産に瑕疵があることを契約時に知っていた場合や、
Bの過失により不動産に瑕疵があることに気付かず引渡しを受けてから瑕疵があることを知った場合には、
Aは瑕疵担保責任を負わない。 

 

だって、知っているんですもの。
→悪意ということで、何も請求できません。

 


参考過去問


Aが、BからB所有の土地付中古建物を買い受けて引渡しを受けたが、建物の主要な構造部分に欠陥があった。Aが、
この欠陥の存在を知って契約を締結した場合、AはBの担保責任を追及して契約を解除することはできないが、
この場合の建物の欠陥は重大な瑕疵なのでBに対して担保責任に基づき損害賠償請求を行うことができる。(15-10-1)×

 

4 売買契約に、
瑕疵担保責任を追及できる期間について特約を設けていない場合、Bが瑕疵担保責任を追及するときは、
隠れた瑕疵があることを知ってから1年以内に行わなければならない。

 

この瑕疵担保の請求期間は、
瑕疵があることを知ったときから1年です。いつまでも置いておくと、売る前からの瑕疵なのか、
売った後の瑕疵なのか分からなくなるからです。○

 

参考過去問

Aが、Bに建物を売却し、
代金受領と引換えに建物を引き渡した後に、Bがこの建物に隠れた瑕疵(かし)があることを発見したが、売主の瑕疵(かし)担保責任についての特約はない。
この場合、Bが、Aに対し、この瑕疵(かし)に基づき行使できる権利は、
Bが瑕疵(かし)を知った時から1年以内に行使しなければならない。(14-9-3)

10問目 売買契約のトラブルは誰が責任をとる?

ポイント~担保責任
売買契約で、何かトラブルがあった場合、 誰がケツを拭く(すんません。下品でした(笑。→誰が責任を取る?)

 

平成19年10問目 担保責任

平成19年9月1日にA所有の甲建物につきAB間で売買契約が成立し、
当該売買契約において同年9月30日をもってBの代金支払と引換えにAは甲建物をBに引き渡す旨合意されていた。
この場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

 

(原始的不能)

l 甲建物が同年8月31日時点でAB両者の責に帰すことができない火災により滅失していた場合、
甲建物の売買契約は有効に成立するが、Aの甲建物引渡し債務も、Bの代金支払債務も共に消滅する。

 

(売主の債務不履行)

2 甲建物が同年9月15日時点でAの責に帰すべき火災により滅失した場合、
有効に成立していた売買契約は、Aの債務不履行によって無効となる。

 

履行不能(りこうふのう)

履行不能とは、売った物の全部は売主の物だったのですが、売主の責任で買主に渡せなくなってしまった場合です。例えば、
売主Aが買主Bに建物を売ったのですが、引渡期限前にその建物が売主Aの失火で焼失してしまったような場合です。

 

注意点として、6月2日に焼失した建物を、
それと知らずに、6月10日に売ってしまったように、売った物が契約締結時より前に消滅していた場合は、履行不能の問題にはなりません。
こういう場合原始的不能(げんしてきふのうの問題です。

原始的不能の場合は、そもそも売買契約は無効になります。

 

原始的不能とは、
契約締結の時より前に契約の目的となっているものが、無くなってしまっている場合を指します。
契約締結時に地球上に無い物を売買したわけですから。不可能つまり無効です。原始つまり、元から不可能なのです。

 

その原始的不能の原因を誰が作ったかは問いません。雷や放火のように売主の責任が無い場合は当たり前として、
売主に責任がある場合は不法行為責任は負いますが(損害賠償の対象になる)、実際に契約時に建物が無い以上、
原始的不能に変わりはありません。無効になります。

 

無効というのはどういうことでしょうか。
効力が無いの略語です。つまり契約が成立しなかったのと同じで、
売主・買主とも何らの権利・義務は生じません。

 


履行不能の場合、つまり契約後の場合は、その契約は依然として有効です。無効になることはありません。何故なら原始的不能とは違い、
売買契約時にこの地球上にある物を売買したわけですから、有効な取引です。×、×

 


参考過去問



売主甲と買主乙との間に隔地の木造建築物Aを売買する契約が締結され、乙は甲に手付金の支払いを済ませ、
所定のAの引渡期日に残金を支払うこととした。ところが、Aは、契約の締結の「前日」
に甲の責めに帰せざる事由による火災で消滅しており、甲と乙は契約当時この事実を知らなかった。売買契約は無効となり、
甲は乙に少なくとも受領済みの金銭を返還しなければならない。(51-10-1)○

 

(買主の債務不履行→危険負担)

3 甲建物が同年9月15日時点でBの責に帰すべき火災により滅失した場合、
Aの甲建物引渡し債務
も、Bの代金支払債務も共に消滅する。

 


(危険負担→特約のある場合)


4 甲建物が同年9月15日時点で自然災害により滅失しても、AB間に「自然災害による建物滅失の危険は、
建物引渡しまでは売主が負担する」との特約がある場合、Aの甲建物引渡し債務も、
Bの代金支払債務も共に消滅する。

 


危険負担の問題が生じる場合、
つまり売主の「売主の責任なく
売った物が契約締結時より後に消滅してしまった場合、買主の代金支払義務は消滅しません。

 

不公平な感じがしますよね。ただ、
実際に契約の約束をした後には、買主は転売なども自由にできます。つまり、建物は買主の支配下にあるといえます。
実際にバブルの頃には、口約束で転売などが頻繁に行われておりました。

 

それこそ、
電話一本で億単位の土地がどんどん動いていったのです。つまり、支配下にある以上は責任も負わせるという考えなのですね。結論として
「売主は建物を渡さなくてもいいけど、代金を請求できる」ということになります。

 

例えば、
買主が契約締結時に代金の一部をすでに支払っていた場合、買主は、売主からの残代金請求に応じなければならなりません。また、
建物の一部が滅失・損壊した場合でも、買主は、売主に対して代金減額請求ができません。逆に言うと、売主は建物の一部が滅失・
損壊した場合でも、代金を減額しないで全額請求できるということです。

 

実際の分譲マンションの売買は、
特約で売主が責任を負うという項目がちっちゃい字(笑)で入っていると思いますので、ご安心を。つまり、特約も有効ということです。×、○

 

参考過去問

A所有の家屋につき、Aを売主、
Bを買主とする売買契約が成立した。当該家屋の所有権移転登記後、引渡し前に、その家屋が天災によって滅失した場合、Aは、
Bに対し代金を請求することができない。(1-9-1) ×

 

これを覚えろ!

買主保護のメニューを簡単な図にしますと、こういった形です。。

 

契約前 原始的不能 契約は無効

 

契約後  

売主に責任 あり 債務不履行 契約は有効

売主に責任 なし 危険負担  契約は有効

9問目 債権譲渡をした場合最後に笑うのは誰

ポイント~債権譲渡 債権を譲渡した場合。笑うのは誰?

債権の譲渡に関する次の記述のうち、
民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

 

(債権の二重譲渡)

1 指名債権が二重に譲渡され、
確定日付のある各債権譲渡通知が同時に債務者に到達したときは、各債権譲受人は、債務者に対し、
債権金額基準で接分した金額の弁済請求しかできない。

 

(債権譲渡の対抗要件 1)

2 指名債権の性質を持つ預託金会員制ゴルフクラブの会員権の譲渡については、
ゴルフ場経営会社が定める規定に従い会員名義書換えの手続を完了していれば、
確定日付のある債権譲渡通知又は確定日付のある承諾のいずれもない場合でも、
ゴルフ場経営会社以外の第三者に対抗できる。

 

(債権譲渡の対抗要件 2)

4 指名債権譲渡の予約契約を締結し、
この予約契約締結の事実を確定日付のある証書により債務者に通知していれば、
予約の完結によりなされる債権譲渡の効力を債務者以外の第三者に対抗することができる。

 


譲受人が一人ではなく、
他にも誰かがいた場合です。

 


D←    A債権者      
→ 通知 → B債務者


 ↓ 


 C    
Aが
Cの他にDにも譲渡した。

 

CとDの両者に譲り渡したと通知をすると、Bは困ってしまいます。誰に払えばいいのか分かりません。そこで、
CとDの間ではAからBへの
確定日付のある通知を早く出した者の勝ちとしました。

 

れは、
Aを脅して通知を出させてしまえと考える場合もありますので、キチンとした公正証書や内容証明書などで、
証拠が残るようにしなさいということです。通知をするのはあくまでもAです。

 

注意点として、
数人の譲受人の間では、確定日付の先後ではなく、
その通知が到達した日時又は債務者が承諾した日時の先後により優先によります。

 

また、
事前に債権譲渡の予約契約をして、「予約しました」と通知しても、債務者以外の第三者には対抗できません。
予約段階では駄目ということです。全部 ×

 

参考過去問


Aが、AのBに対する金銭債権をCに譲渡した場合に、Aは、Cへの譲渡について、Bに対しては、
Aの口頭による通知で対抗することができるが、第三者Dに対しては、Bの口頭による承諾では対抗することができない。
9-5-1)○

 

(将来債権の予約)


3 契約時点ではまだ発生していない将来債権でも、発生原因や金額などで目的債権を具体的に特定することができれば
譲渡することができ、譲渡時点でその債権発生の可能性が低かったことは譲渡の効力を直ちに否定するものではない。

 

原則として債権譲渡をすることは自由です。
当事者全てが納得すれば、損をする人はいないからです。将来の債権でも、「予約完結時において、発生原因・金額等で識別」
ができれば問題ありません。よって○

これも、結構難しい問題です。でも、1、2、4は同じことを聞いています。
違う論点の3番を正解の肢にしているところがニクイ。宅建の問題の作成方法がわかる一問。