自分の物以外は売るな

自己の所有に属しない物件の売買制限
★宅建業者が自ら売主となり、かつ、買主が宅建業者でない場合には、宅建業者は、他人の所有に属する宅地建物、又は工事完了前の宅地建物について、売買契約(売買契約の予約を含む)を締結してはならない。
民法上は、自己の所有に属しない物件でも、売買をすることは自由でしたよね。他人物売買は有効だとお話しました。例えば、AはB所有の宅地を、自由にCに売却することが出来ます。しかし、本当の所有者Bが手放すつもりがなければ、結局のところ、買主Cは、その物件を取得することが出来ません。
そこで、プロの宅建業者とアマチュアのお客さんとの関係では、民法の原則を、一歩進めて、お客さんが有利になるように修正したものです。業者が自ら売主の場合は、自分の所有でない物件は、原則として売ってはいけませんという規制を作りました。移転出来ない危険があれば、プロとして取引をするなということです。これが「自己の所有に属しない物件の、売買制限」です。
自分の所有に属しないというのは、2つの意味があります。
ア.他人の所有物である場合。
他人の所有物である、宅地や建物を売ってはいけないのは、他人(本当の所有者)が手放すつもりがなければ、結局買主は、その物件を取得出来ないからです。
逆に言うと、他人が手放すつもりがあるのならば、他人の所有に属する宅地建物でも売ることが出来ます。つまり、宅建業者が、他人と既に物件の「買取契約を締結しているとき」は、他人の所有に属する宅地建物でも、お客さんに売ることが出来ます。
ただし、次のような場合は、他人と買取契約をしているとみなされますので、お客さんとの間で売買契約を締結しても、問題ありません。
ア-1 他人との物件の買取契約が、売買契約の予約の場合。
予約でも、他人に手放すつもりがあることは、明らかですから問題はありません。
所有者A(売主)
↓ ← ここが、契約済み若しくは予約済みであれば、問題なし。
宅建業者B →売買契約可能→ 買主、アマチュアのお客さん
過去問
宅地建物取引業者AがBから土地を取得して、宅地に造成し、自ら売主となって、Cに分譲する場合に関して、AB間の契約が売買の予約である場合、Aは、予約完結権を行使するまでの間は、宅地建物取引業者でないCと、売買契約を締結してはならない。(5-39-1)
ヒント 予約をしていれば、結構安心
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